8月16日、FIFA女子ワールドカップ。準決勝「豪州vs英国」が行われ、決勝カードがきまった。
決勝はスペインvs英国。欧州同士の対決となりともに初優勝を狙う。今回でこのシリーズは完結だ。
◉準決2試合感想ひとこと
スペインvsスウェーデン。
オーストラリアvsイングランド。
2試合ともプロセスはもちろんありつつも、勝者はしたたかに勝ち上がった、という印象だ。
スペインもイングランドも違いの出せる「ひとくふう」があった、と言える。ベスト4ともなると本当に微細なクオリティの差が勝敗を分ける。
それに男子大会もそうだが、ベスト4付近はもう力学通りいくので正直試合を見てのサプライズは少なくはなる。3位決定戦・決勝はほとんど関心がない。
スペインが優勝してほしい、ってくらいかな。
そんなわけで、本大会のまとめに移ります。
◉なでしこはベスト8
ベスト8で終わったなでしこだが、準決の「スペインvスウェーデン」戦を見る限りまあ妥当だよな、と冷静になれる。それくらい準決は両チームとも強度が高く、ここに割って入れたか?と問うと、その力はまだないようにオレには思えた。
前回「雑感4」で書いたことをくり返すが、日本の最大の限界は——
3バックしか組めなかったこと
にあるとオレは強く想っている。
2点差がついても、むこうがワントップでもバック3枚の後ろ重心。ここに問題がある。
(システム変更して)リスクをかかえ打って出る。これが本当にまだまだ(へた)だと痛感する。
これは完全に監督の知能的責任だが、シフト制のような選手の交代に、自分はほとほと飽きている。
構造的戦略・機転というものをいい加減見せてほしい!と男女共に想ってしまうのですよ。
◉日本の希望と、世界の躍動。
十代の選手に藤野あおば選手と浜野選手がいて、藤野選手は活躍した。が、こういうフレッシュな選手たちも「まったなし」だ。なぜなら、
スペインのアタッカー、パラジュエロも
コロンビアのFWリンダ・カイセドも19歳。
かつチームを助ける得点を挙げているからだ。
この2選手が十代では目立ち、決定的な仕事をしている。ゆえに若手の台頭は日本だけのストロングポイントではまったくない。
とくに今大会のアイコンとなったリンダ・カイセドの身長は161㎝だ。日本選手も大いに見習うべき点しかなく、日本の攻撃陣は全員リンダ・カイセド級のアタッカーになってほしいね(・・ってまあ既にレアルマドリーの選手なんだが、大事でしょ)。
※FIFAの版権的にアレなんだが「ドイツvコロンビア」戦の彼女のゴールはどこかでぜひ見てほしい。狭いポケットムーブがハンパないゴラッソだから。
「なでしこは1年後のパリ五輪が楽しみだ。
のびしろしかない!」
と言いたいキモチもわかるが、くりかえすが「スウェーデンvスペイン」に割って入れるか?だ。
1年後に急に身長は伸びないし、日本だけでなく、世界的な躍動も感じて然るべきことだ。
リンダ・カイセドを心のライバルに、今回ブレイクした全選手は海外に飛び出てくれい。
◉カナダドイツブラジルアメリカ
何度も書くようで申し訳なく本当にくどいのだが、カナダ・ドイツ・ブラジル・アメリカの早期敗退が特徴的な大会だった。
ゆえにイングランド側のトーナメントはラッキーだったが、とにかくこれらも世界的躍動の証だ。
で、これら強国も強度を上げこれからもやってくるわけで、まあ、楽観のラの字ももてないとは想う。
◉まとめのまとめ
今回、久しぶりに女子サッカーをアップデートしました。おかげでかなり潮流がアタマに入った。
大会の前半は「粗く」なんともいえん試合も多かったが、結局のところサッカーは愉しいわけです。
この愉しさには、応援し甲斐のある代表があったことが一番だ。いっときの弱含むなでしこではなく、愉しませてもらいました。
それでは本シリーズはこれでおしまい。では!