8月11日。ベスト4を賭けたスウェーデン戦。
結果は2−1。日本は負けました。
今回はスウェーデン戦のみ、書き下ろします!
◉終戦、なでしこ
負けちゃったなぁ・・ああ、負けた。
力負け、完敗と言っていいでしょう。
むろんケチもある。が、シュートゼロ本で終わった前半から地力の差はあった。経過を見ていこう。
[前半]
グループリーグのスペイン戦、その後半の試合っぷりのような前半だった。
相手(日本)ボールをすぐ絡め取る、奪取の早い、まさに上位国的「圧」との対戦だ。この感覚はスペイン戦(の後半)と同様で、きつい、厳しい闘い。
32分。
熊谷のファールからセットプレーの混戦で一点
ここだよなぁ。まさに勝負のあや。
実はこの少し手前から日本も持てるようになり、試合がわからなくなる間際の出来事だった。
そういう亜空間がどっちにも転がっていた。
が、ものにしたのはスウェーデンだった。前半を0点で折り返せず、そのミッションを担っていた左サイド要員杉田はハーフタイムで交代となった。
[後半]
まだ全然わからないよね、と想っていた。
それほど地力あるのが今回のなでしこ・・ではあるが、どれだけ我慢できるか。どれだけ亜空間を手繰り寄せられるか。厳しい中ワンチャンだ、そんな風に考えていた。
51分。
セットプレーから長野のハンドでPK。
スウェーデン2点リード。
いや、まだわからん・・。まだ51分だ。
打ち筋さえミスらなければまだ可能性はある・・とほとんど雀士のような姿勢でワタクシ観ておりましたよ。捨て牌ノーミスなら、まだいける・・と。
ここからがワタシの「ケチ」コーナーです。
◉采配のよしあしを考える
まず2点差になった所でFWを入れ替えた。
田中から植木へ。
うーん。どうだったろう。
このあと植木自身は前線でたいへん頑張りPKも得るわけだが、どうだったろう、とオレは想うのだ。
2点差でFWの入れ替え?
この場合そうではなくシステムに手を入れろ
とオレなんかは不思議だった。
すでに2点差なのだ。それもバチコン強く技術も圧もある相手だ。長谷川と長野だけでは中盤が足らないことも見えていたし攻撃に枚数を増やしたい。この場合メスをいれるは
既存の3バック
だよ。スウェーデンは1トップなので(怖くても)CB二枚で看る・・という判断・割り切りがこの時点でなぜできなかったかと想うね。オレなら3バックの一角、高橋に代えて、中盤前目で猶本を出す。
長谷川・猶本・長野のインサイドハーフ。
つまり4−2−3−1のミラーゲームにもちこむ。
これだけで長谷川も長野も少し楽になるはずだった。その後FWの入れ替えがあったっていいがさ!
実際最後。池田監督は3バックの一人、高橋を交代し前線を入れ4バックにするが時刻は90分だ。
遅すぎる、4バックにするのが。
このあたりなんですよ。
むろんこの試合は交代した選手、清家がアシストし林が決めた。その意味では池田監督の「采配的中」と言える・・がなぁ、というところ。もっとダイナミックに、プラグマティックにいけないのかと。
なお90分に出てきた秘密兵器浜野選手はまったく試合に乗れず、なにもなく終わった。
・・って、知ってる。
負けた試合、それもその後解散する運命にあるチームにチャチャをいれることの空しさくらい、ワタシも知ってますよ。
しかし「よくやった日本」にするにはポテンシャルのあった今回のなでしこだからね、悔しいわけよ。
もっとも。カンペキな采配、イフ・モシモや、ミスなくコマンド入力しないと必殺技コンボが出せないこと自体がまだまだであり、そもそもそんなカンペキな空間なんて永劫ない。つまりは完敗だ。
今大会は観客としてワクワクできただけ有り難い、ってことなんだと想います。TV放映されたしね!
◉数センチの差を持ち帰る日本
スウェーデンだってクリーンなゴールはない。
ゴール前の混戦と、PKによるものだ。
さりとて日本も
PKでバーに当て、FKでバーに当てた。
「最後のクオリティ」は足らず、中盤の争いに至っては総じて完敗と言わざるを得ない。
数センチの差
全てが数センチずつ足りなかったのだ。
(実際スウェーデンの平均身長は 171cm!)
そしてそれは選手達が一番実感していることだろうし、彼女たち自身が一番このチームを解散させたくなかったわけで、悔しさは選手達のものだ。
この借りはパリ五輪で云々
・・という白々しさを言うのも好きではない。
(こういうこと、終わってすぐ言う輩キラい)
この大会はこの大会のものであり、また選手のピークもこの大会だけのものだ。
一つ、そういった希望を溢すのであれば、
「これを見た少女たち」
ちいさななでしこ達がサッカーボールを蹴ってくれたら、と想う。
あとはブラジルのマルタの言うとおりだ
「代表の歩みはこれからも続く」
熊谷選手はじめ選手の皆さん、お疲れ様でした。