わが心のBlog

by Hiroki Utsunomiya

女子ワールドカップ雑感2

FIFA+」サマサマで女子サッカーの今の潮流を楽しんでいます。GLが終わり感慨を書きます。



◉順調すぎる日本

結果は5−0、2−0、4−0。
無失点の+11得点。これは全体でも1位の得点差でGLを終えた。
前回「雑感1」で指摘したチームマネジメントもほぼ達成。ボランチ長谷川長野には休養が与えられ、ほとんどの選手をピッチに送る結果となった。


順調すぎる


笑。いやー。順調だ。
正直初戦の出来でGLは心配しなかったが、いや、なんのなんの、ほとんどの人左団扇でしょう?


「が、しかし」


天の邪鬼の私は毎度のように書きたいわけだが、ヤフーニュースなど「結果のみ」かハイライトしか知らないヒトがほとんどだろうから書く、それくらい特殊だったのが、スペイン戦だ。


◉スペイン戦の54ブロック

スペイン戦ほどハイライト系と90分のプロセスとが乖離する試合も珍しいだろう。
いや、日本では珍しくないかーー。男子のスペイン戦と酷似している。文字通り、酷似だよ。

実質8割近くポゼッションされる中、日本は54ブロック(5バックで1トップを残して守る型)。
これなどまさに男子とおんなじ。既視感満載。相手がミスしたところをカウンター、という戦略を執った。それもショートカウンターではない、ほぼロングカウンターだ。


で、前半が3−0。
前半何故こんなにカウンターが効いたのか?


これも(男子同様)スペインはナメてたってのが一つ。かつ日本はシュート数3本に対し3得点。
SSランクの決定力を示し、これこそ、リアルタイムで観てないとわからない驚きだったはずだ。

でも正直前半、出来杉とは想ったよねえ。
攻撃2枚ですよ、3得点とも。ほとんどクジ3枚引いて全てが特賞だったってかんじ。あるいは「どれだけザルなんだ相手DFは?」と。ふしぎだったが


後半こそが「これから」を占う闘いとなった。


サッカーは「待った!タイム!」ができない。抜本的な調整はハーフタイムとなり、前半は混乱に長じ3得点を出し抜いた日本だったが、シャキッと脇を抑えた後半のスペイン戦こそが試金石ということ。

着目点は攻撃、ビルドである。

目を覚ました後半の強豪にどれだけビルドアップできるか? この点を後半ずっと観ていたが、観てた人どうだろう? 全然だったよね。日本のビルドアップはすぐ絡め取られ相手ボール。その連続。

ここに選手は大きな課題を感じとったに違いない。むしろ後半1点取った事こそ自信となったはずだ。

当然スペインのクオリティの無さにも助けられた。ってまあ、54ブロックはどの国も崩すのは容易じゃない、けれど。


◉ドイツ敗退、恐ろしい勝ち点4

GLを総括すると、なんとドイツカナダブラジルがGL敗退となった。
雑感1」で「ブラジルのクオリティやばい」「ドイツも順当」と公言しただけに私も恥ずかしい。


とくにドイツの敗退はほとんど理解できない。


直近24戦わずか1敗で大会に入ったドイツ。それがコロンビアに負け、勝ち点4で敗退となった。
(最終戦。韓国の「負けたくない」だけの遅延行為も相当見苦しかったが、苦境を挽回できなかったことにかわりなし、也。)


勝ち点4


恐ろしい数字だ。それでも敗退する。
しかし女子有数リーグ「ブンデスリーガ」を抱えるドイツは敗退してはならなかったよ。

ドイツのいないトーナメントは、なんて淋しいだろう、残念だし不甲斐ない。
今回、諸国の成長・底上げによる「ゴリ押しサッカーの終焉」を説くのは簡単だし今はまだ早計とも想うが、その系譜・西の横綱ドイツ敗退はほんとうに淋しい。さあ、USAはどうなるだろうか。


◉カナダとブラジルを考える

ハイランカーに位置するカナダブラジルもGLでさようなら、となった。両国も勝ち点4
この大会は本当に「一敗が命取り」となった。

実際、ブラジルも勿体ないチームだった。
本国は沈痛のお通夜だろうと想うが、このブラジルとカナダが負けた共通点はあると考える。


レジェンドとの心中」・・という要素だ。



6大会連続出場の選手が、2人いる。
それがカナダのシンクレアと、ブラジルのマルタ
このレジェンド級の選手を抱える両チームが敗退したのは偶然だろうか?

終戦、シンクレアは前半45分で退き、マルタは81分まで戦った。マルタはブーイングの中退場するのも印象的。レジェンドには結果こそが求められるし、この深すぎる時間まで引っ張った監督手腕は叩かれるだろう。


チームバランスとはかくも難しいものだ。


レジェンド級の選手を抱えることが、リスクともなりえるのは歴史が証明している。日本だって5年古くなったレジェンド布陣でオリンピック出場を逃した過去(2016年)があることを忘れてはダメ。
(言わんや男子代表をや。毎度争点となる点だね)

世代交代=成功体験の引き剥がしはかくも難しい。
(そう考えるとアメリカはよくやってるよね)

なおカナダは「パーツ・パーツ」は世界的クラブチーム所属の1級選手が揃うがチームとしての戦術は見えずまとまってなかった。最終戦はその軋轢と開催国の追い風に完全に空中分解した。BYE。



◉書きすぎたがノルウェー

書きすぎてる!
(まさかの最終日ドイツ敗退で急遽筆がのびた!)

先を急ぐと、次の日本の対戦相手はノルウェーだって言うじゃないか。
雑感1」で書いた雑な海賊チームってノルウェーのことよ!(あとスウェーデンデンマークな!)


ごりごり高さ任せの大味サッカーがやってくる。


まあそんな輩に負けてたらそこまで、とも言える。
そんな事態はノーサンキューなので勝ってもらい、対する山の「スウェーデンアメリカ」勝者と天王山といきましょう。
がんばれーい。なでしこ!




_____________________

追伸
ブラジル在住ライターによる、南米の女子について考えさせられる良記事。
女子サッカーについて示唆に富んでおり、いよいよインファンティーノが釣ったことも明らかだ。
また最終戦では叩かれる運命のブラジル・マルタだが、この記事の彼女もまた真なり、である。


宗教と女子スポーツ、という視点は大切だ。
女子サッカーでもカソリックプロテスタントの相関関係、チームの強弱はあるように想う。