わが心のBlog

by Hiroki Utsunomiya

ブックライティングとか

徒然日記


三寒四温の時候です
三寒四温の時期になりまして・・と時候の挨拶などしたくなる今日この頃。この時期特有の

サミー!」 と
オオー!(いい天気じゃん!)」

が交互に来る感じは1年のこの時期僅かな間の現象で改めて貴重だ。ほっとくとすぐ「アチー!」に転向するわけで、しみじみ好きな季節です。


◉機材沼・ライティング沼
そんな時候にまかせYouTubeなど見てますと、ひたすら時間が奪われるわけだが機材とか照明の動画ばかり見てしまい、まじで始末悪く困る。
あれほしーこれいいなーそうかーそうなのかー
学びと同時に、ムダもあり、この玉石混交具合は本当に面白いし注意が必要だよな、と改めて想う。


◉マイブーム、照明
照明は撮影のイノチで、周期的にライティング(照明)がマイブームになるけれど、YouTubeに紹介するユーチューバーさんはシングル撮影が多いので注意が必要だ。つまり、

・1ON1
・インタビュー的ライティング
ポートレート的ライティング

にはどの動画も饒舌だ。が、もっと踏み込んだ


・映画(ドラマ)撮影の
・それも複数人同居する
・それも比較的広い空間での照明デザイン


に対しては日本はほぼ皆無だ。・・って当たり前か。
まあそれ自体は「秘伝のタレ」的リソースにしたいだろうし結局アメリカのDP系ユーチューバーの、それも極々少数のケースを漁るってかんじとなる。
それでもむろん、いい時代になったなぁしか出てこないよ。ニッチな情報を漁れるなんてね。

たとえば照明の一つの流行りに「Book Lighting」という手法がある。光を一旦リフレクションでバウンドさせ、その反射光に更にディフューザーをかませる手法で、なるほど柔らかい光にはなるんだが、


ユー。じゃ、それ、
広い空間で構成してみろ


となるとたいへん大がかりになるし、そもそもそんな潔癖症気味なライティングをする「意味」も気合いも要るわけだ。タッチアンドゴーのロケを渡り歩けるのか? どれだけ構成できるだろう?、などもイマジンして見るもんだから結局は参考程度に過ぎず、まーた、次の動画を探しにいくんだよな。
それにおおよそがスタジオワークの手法ばかりで「サンライト」「Available Light」・・要するに太陽光の屋外でのテクニックなどは「そっかぁ変わらず大幕のディフュージョンがキホンかぁ」など耳目新たにしているところです。


◉ひきつづき、光
マイブームなんで続けると、光と影の話だ。
めちゃくちゃ重要かつ当然のこととして「光を足せば、影は濃くなる」。で、商業的な作法ではその「影」は必要ない、と判断しいかにして影を消すか、みたいなことも発生する。

むろんこれはディスってなく、結局本質や「なにを伝えたいか」に拠る、ということ。
要するに広告など「我々は盛りたいのである!」とハナから判っていればネガティブ要素は不要で、そういったコンセプトは企画、撮影、照明まで貫くデザインとなるわけで、影隠しも大切な要素だろう。

その逆も真で「人間の陰影を伝えたい」という意図の中にあり、流行ってるからってブックライティングなどソフトライト手法を使うのもどうなのか?、ということだ。もちろん「光源直当てビカーン!」が正しいとは決して言ってなく、要するに「選び抜くこと」を考え続けるしか方法はないのだ。


照明には本当に流行があり面白い。


たしかダスティンホフマンの「トッツィー」でDPが光源をバウンスさせる手法を初めて多用。
その年のアカデミー撮影賞にノミネートされるわけだが、その手法が話題となり、それから「直接光源をあてない」が大流行し手法としても定着した。
試行錯誤で発明される手法の数々は、必要によって生まれるしなにより、その発明自体が先人から受け継がれ、感銘と温もりを感じるからいい。むろんブックライトもその点では同様である。

最後に無粋でベタだが書く。

好きな撮影監督は多いが、ロビーミュラーのだす艶と色気にはいつもため息がでる。
とくに「夢の涯てまでも」の撮影とカラーはとにかくとにかく素晴らしく(内容はここで論じない)、パリテキサスの質感も当然のように激しく嫉妬する。そんな巨匠であることを拒む巨匠ロビーミュラーのトリビュートをのせて本稿はおしまいだ。