わが心のBlog

by Hiroki Utsunomiya

W杯おわる 2022 Pt.2

1ヶ月に渡ったカタールワールドカップ
私なりのふりかえり、第2弾。
総論を書きます。





カタール大会の総評

まずスタジアムがすごく綺麗だったことを挙げる。
どこも現代的なスタジアムだった。

大会総費用30兆円という天文学的数字が伝わっており(どれだけワイロに消えたろうか)、また多くの犠牲の上に立つスタジアム。なので綺麗でないとムリだが、悔しいかな、いいスタジアムばかりだった。よくある「オリンピック跡地」のように、負の遺産とならないことを願うばかりだ。
(サッカー「以外」ではこの大会も色々あった。無視もできないが忘れないよう身に留め、ここではサッカー自体の話をします)


サッカー自体。


これは前回書いたとおり「極めて風変わり」な大会だったと言える。アップセット・下克上の数々。
しかしこれも何度も書いてるが、それでも結局


ベスト8以降、見たようなカードが並んだ


このことが私は腹立たしい。
それこそこのワールドカップという資本ゲームの頂点にいる欧州支配層に風穴をあけたいじゃないか。
だが!そんな中、



ロッコクロアチア



これが日本の師匠筋にあたる存在だったと考える。



◉ワールドカップ仕様のメンタル

クロアチアとモロッコはともに日本の上位互換のようなサッカーでファンを魅了した。

・4−3−3
・それも両国、お手本のような4−3−3
・ボール奪取の寄せのスピード
・鋼鉄のメンタル


これらはどれも日本より上だったし、見習うべき点しかないと考える。とくに




メンタル




これだ。
我々に求められているのはメンタルなのだ。
クロアチア師匠が飄々とやってのけたように、



ブラジルに勝つ
空気の読まなさ




そして



世界中を敵に回す
メンタルの強さ




これが今後試される。
ロッコC・ロナウド率いるポルトガルに引導を渡し、フランスをあと一歩まで追い込んだ。
クロアチア対モロッコ」という決勝、ありえる。ありえるよ。とざわつかせる鋼鉄のメンタル

これが今後の日本代表にも必要すぎるのだ。
ベスト8とは即ちそんな舞台であり、ベスト4は言うに及ばず。世界中を傷つける覚悟が要る。

そのマインドセットになったとき初めて「日本は強い」となろう。グループリーグでは世界中の空気を破壊した。次に求めるはトーナメントのメンタルであり、選手個人は「ワールドカップ仕様」のメンタルがマストだ。


で!
各選手がワールドカップ仕様のメンタルかどうか。

これは当ててみないとわからない代物ってのがポイントで「懲りずめげず、どんどん若い選手を大舞台で試し、全体のパイを高めるほかナシ!」とも以前書いたのですよ。大切。世路志駆ぅ!




◉今大会ベストバウト

このきわめてイレギュラーな時期に行われた冬の1ヶ月の狂騒。いくつもの名勝負があったが、あなたのベストバウトはなんですか?

そんなことを思い浮かべるのも愉しいでしょう。

私? 私は2試合を挙げたい。その一つは——、






ドイツ vs 日本






日本の初戦も初戦。これは絶対的に挙げたい。
内びいき・忖度ナシで文句なくこの初戦を世界的ベストバウトとして挙げる。もう一つは——、





ブラジル vs クロアチア





勝戦もむろん忘れがたいしオランダvsアルゼンチンも異様な試合だった。が、あえてこの試合だ。
とくに後半なんだよ。猛攻モードのブラジル攻撃をクロアチア「キャンセル」しまくるんだわ。
その仙人級の守備と最高級の攻撃。この攻防に痺れた。PKの、膝から崩れ落ちるマルキーニョスも忘れられず、ベストバウトだ。



◉個と組織、5バック

今大会ほど「5バック」を見た大会もない。それ位54ブロックが各グループリーグで流行った。
実際最もシュートが少ない大会だったらしい。守備的なチームが勝ち上がったとも言える。

綺麗にデザインされ磨かれたチームは日本によって破壊された。ドイツとスペインのことである。
この関係については渋めなこと書かせてもらった。


一方で決勝戦が「組織<個」だったのは印象的だ。
とくにフランスは、いわゆる代表チーム的な束ね方——「必要で強い個をおいてあとはその場調整」というオーソドックスな《省エネマネジメント代表サッカー》で決勝まで来た。

アルゼンチンはそのオーソドックスをさらに先鋭化させたネオ版で「個に頼りながら、システムと滅私(めっし)で支える」——かなり今回限りの再現性不能バージョンだったことも特記としてあげたい。


結局のところ。


大胆にデザインされたチームはどこか?と問えば、それは「全ての国」だったのかもしれない。
身も蓋もないが、全ての国が自国のサッカーを堂々と披露したのだ。言ってしまえば——



個も必要だし組織も必要だ

知略変化も主体性も必要だ。
献身性もひらめきも必要で、
技術もメンタルも必要だ




身も蓋もなく結局ぜんぶ要るじゃんと考えつつ、多様な必然も偶然もあるのがサッカーでありW杯だ。


ドイツもスペインもこれに懲りず尖って欲しいし、オランダもブラジルも引き続きヤッテクルでしょ。
そうして日本は、そんな、これからも立ちはだかる強敵に「場を読まず」挑み続けるほかがない。
で。日本の「その他」事項は、またあのヒトが指揮するので私は知らないし好みを言っても仕方ない


まあ4年後はまた、まっさらツルツルのチームさ。
流行りも廃りも「振り子」のようなもの。粛々とチカラをつけていきましょうね。




んで、4年後は長い。・・長いゾー。


気長に。とうぶん代表ウォッチは冬眠だ。


内外の、実り多き日々を願って。


おやすみなさい。みなさんお疲れ様でした。