わが心のBlog

by Hiroki Utsunomiya

日本っぽさ欧州っぽさ

ワールドカップ
毎大会、サッカー以上のメッセージを受信します。
ドイツに勝ちコスタリカ戦でうまくいかないのは「日本っぽいなぁ」とか、カリスマを作らず組織の一体感マストなのも「日本っぽいなぁ」と。

サッカー以上の「哲学」「歴史」も匂い立ち、どんなことを今回は想うのだろう?と毎回たのしい。

今回もそんな感慨を身勝手無責任に語ります。




◉最先端の先鋭化と袋小路

攻撃の「トライアングル」「ダウンスリー」「ロンド」はたまた守備の「ゲーゲンプレス」などポジショナルサッカーの最先端を走り、個性的で先鋭化したドイツとスペインが



負ける。
それも日本から。



というこの現象ははちゃめちゃ面白いものがあります。今大会最大のスキャンダルでしょう。
むろん前記事「続投論を考える」でも書いた通り、再現性は低い。けれど結果は結果で、猛烈に検証が行われるはず(独・西で)です。そしてここも




ヨーロッパっぽいなぁ。(みつを)




と想うんですよ。

乱暴に言って「別の地域をナメてる」ってのがまず一つ。ヨーロッパ的な驕りというものです。
しかし一方で、その「自我(Individual)」は数百年単位で勝ち取った叡智であり、その思考性もまた特筆すべきモノ、だと感じ入るわけですよ。

それだけ欧州は地政学的にも混み合った競争状態にあり、独自性を問い続けることは彼らにとって死活問題なのだ、という認識が大切だと想います。だからこそサッカーでも最先端たりえる
しかし今回の敗退で「先鋭化ゆえの形骸化はなかったのか」という議論も始まっています。


ポゼッション8割での敗北。
これってポジショナルサッカーの限界じゃね?
我々は間違った進化をしているのではないか?


と。よくわかる話ですよね。
手段が目的と化すとき、自家中毒を起こす。今回もそうだったのではないか?、と。そもそもポジショナルサッカーというシステムそのものの限界を露呈してしまったのではないか?、と。


これが「なう」。今の彼らの議論でしょう。
毎回このような「理性の壁」にぶつかることもまた「ヨーロッパっぽさ」であり、この極端さ(笑)、そんな問いや自省がうまれること自体もドイツ・スペインがサッカー先進国である証しです。懲りずに尖ったサッカーを追求してほしいです



では次に! そんな事件を起こした首謀者。
日本の場合をみていきましょう!



◉節操なき国の奇襲と虚無

もう章題で「腰砕け」なオチ狙ってますが(笑)、でもそうなんですよ。

ヨーロッパからしたら、そんな二つの強国を倒す国は「さぞかし上等な理念がある!」と想うはず。
そうして前掛かったドイツのジャーナリストなどは日本指揮官に食らい付くのでしょう!


あなたがたの理念はなんですか?」と!

そうして指揮官は微笑んでこう答えるのだ!!








「いい守備からいい攻撃へ、です」(てへ)






腰砕けである。
「なんだこの園児のような回答は・・」
指揮官から有効な回答を得られなかったジャーナリストはなおも調べこう結論するに至るのだった!



「いい守備から、いい攻撃へ・・

 か、彼の言う通りだ。それ以外なにもない・・

 無だ。無がひろがっている・・

 こ、これが東洋哲学・・なのか・・
 あるいは・・・ただの、乱数か?・・・・」



と・・。
私はホント、しみじみ想うんですよ。
この空洞感・・日本ぽいんだよなぁと・・。


で、私は「乱数」の可能性も捨てないんですよ。
なぜなら「たいしたこと」と「ただのランダム」の同居性もまた、日本ぽいからです。


誤解なきように付け足すと選手の実力の話でなく、日本を包む想念の話をしています。
結局今まで試みていない5−4−1を敷いた国です。撃ち貫く様な理念はなく、ヨーロッパというテーゼへのアンチテーゼを確信的に反証した訳でもない。ただ目前の事象に「とにかくがんばれ!」と一心結束する姿もまさに「日本」を代表しています。


ただ、「彼ら」サッカー支配層に位置する「欧州」は、ベスト8に現れない日本にホッとした。・・とは言っておきます。なんだ、ランダムか、ビックリさせんなよと。——悔しいことじゃないですか。

我々が本当に「新しい景色」をみたというのなら、世界中からみても今後「見慣れた景色」にして頂きたく、浮かれのない指針の検証が必須です。ここに「誤魔化し」という日本ぽさはノーサンキューだ。




◉ベスト4決まっちゃう

時は早いモノで、今週末あっという間にこの大会も4ヶ国を残すのみ、となりました。

アルゼンチン クロアチア
ロッコ   フランス

この表に何を想いますか。
ブラジル、ドイツ、スペイン、イングランドという過去優勝国の姿はありません。
ベスト8以降はスペック通りかつ負けないサッカーが展開され往々にして「つまらない」わけですが、そんななかロッコが勝ち上がりました。

この「モロッコが勝つ」という違う意味でのつまらなさは日本も目指すべき土俵と言えるでしょう。
即ち「場を読まない」精神——世界中のサッカーファンを敵に回す気概(笑)も必携となります。


2大会連続でクロアチアが上がってきたのも特筆で、ブラジルの攻撃を受け流す技術は見事。相変わらず「120分マスター」はその鉄のメンタルと磨き上げた433を魅せました。

フランスデシャン・サッカー。オーソドックスで「個」をまとめあげる、面白みに欠けるサッカーですが、個が強いのでそりゃ強い。個人的には苦労人ジルー選手の活躍が嬉しいです。

アルゼンチンは語りたい事満載ですが、最近書きすぎてて2千字も超えたのでやめておきます。


さすがにリズムガタガタ
ベスト8は寝落ちしながら観た! この大会の行方を引き続き楽しみます。では!





追伸。
その「アルゼンチン」について書きました!


その他以下、アーカイブなり。