わが心のBlog

by Hiroki Utsunomiya

November Rain 最後の真実

どーん!!
鬼の首とったみたいなタイトル付けましたが、20年前の曲かぁ…。このGuns n' Rosesの1曲。
その、クリップ映像についてのボクなりの解釈を論じます。
この「真実」は5、6年前に気付いたんですがこの場では書いてないので書きたいと思います。
(タイムリーな要素は一切ありません。せめて今日がクリスマスってことくらいかな?)

さてさて。 まずはその問題のクリップをご覧頂くことにしよう。
Guns n' Roses 「November Rain」(1992)



はい。 みなさん、いかがですか? 引っかかるところはないですか?
そのまえに、まずは当時をすこし振りかえってみます。
状況的には2枚のセカンドアルバムが前年にようやく発売。ファンの間での妄想や憶測でハチ切れそうだった時期がひとまず落ち着いた先に完成したシングルであり、ビデオクリップでした。 そんな待望のプロモを当時観たボクの感想は単純に、
「アクセル、やつれてんなー」
だった。 それに、「なんでこんなに都合いいんだろう?」と思った。
それこそ中坊の夢をゼンブ乗せしたような内容で申し訳ないけど失笑しちゃうほどです。
グランドピアノ&オーケストラに歌い上げるアクセル。トゥーマッチなほど物語も大げさで。

  ファンの女性と結婚するアクセル → 祝福する仲間達 → フィアンセの突然の死

しかしどうしても、なんで急にフィアンセが死ぬのか理解できなかった。
ここからが本題です。 タイムで、07:07からのくだり。 この展開についていけず、都合よすぎじゃね?、と思った。 なんの説明もなく、唐突にフィアンセが死ぬのです。
おいおい何でもアリかよ、と思いませんか?
みなさんもこの点、引っかかりませんでしたか?当時のボクは「??? なんで?」 でした。
まさにこのビデオ最大の謎がここにあります。

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それから十数年が経ったある日、久方ぶりにYoutubeで触れこの最大の謎がわかったのです。
観たとき本当にハッとしました。「なんで急にフィアンセが死ぬのか」、理解できたのです。
これは今となると「必然」であり、幼稚なまでの「突然すぎる展開」は道理なのでした。
なぜか?
それは映像に登場するその女性を「成功の女神」と置き換えてみるといい。
すると謎が一気に解けるのです。

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成功の女神。 その象徴としてのフィアンセ

このクリップは冒頭、不眠症でクスリを飲むアクセルのカットから始まります。 最後も、うなされ、アクセルは雨の中の慟哭でおわる。 その間に、例の女性との結婚と謎の死別があるわけです。
が、そのヒロインを人間として見るのではなく、音楽業界の「成功の女神」として捉えると、このクリップがものすごく生々しく、バンドの運命の全てを表現している、とさえ思えてくるのです。

さあ、もう一度その視点をふまえ、↑↑↑ クリップを観てみよう!


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その視点で見ると「音楽業界での成功、その突然死」という生々しいメタファーが浮き上がってきます。 おそらく彼らにとって最良の時間、それはRainbowでの、「成功」と戯れた日々ではなかったか?

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「Rainbow」は、November「Rain」をモジりつつも、虹とは「夢の空間」であると考えられます。
アメリカのネイティブでどんな意味がRainbowにあるかはわかりませんが、夢であり過去の象徴、とボクは捉えました。もっと言うと、絶頂の80’sである、と仮定していいと踏んでます。結婚式とはその意味で、彼らの「成功」の完遂式 と捉えることが可能ではないでしょうか。 スラッシュはそんな式の途中、出ていってしまう。
なーんてかっこいい描写なんでしょ。
男子なら萌えなきゃウソですね。普通に考えれば。 しかしここでも、押し寄せるバンド解体という陰影が見え隠れし、深い味わいに印象がかわっていくのです。

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成功のキスを見届け立ち去るスラッシュ  その彼を待つ舞台はどこだった?

そうして追っていくと、この物語の展開は幼稚なんかではありません。

「不意に成功を射止めてた者は、その蜜月の意味を正すまもなく過去のモノにしてしまう」

このクリップはそう言いたかったのではないだろうか?
彼らはなんの死因も用意されずに、成功の女神を失う――。
しかし逆に「成功の死因」なんていったい誰が、本人たちに説明できる代物だろうか?

そう捉えると最後のアクセルの慟哭にハッとせずにはいられません。
この瞬間をフィルムに焼き付けられたことがひとつの奇跡だとさえ思えてしまうのです。

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いやいやそうは言いますがね?

どこまで制作時に意図したのよ? って疑問がわきますよね。
そんな勝手な深掘りしてさ?

ボクも当然ながら意図なんてしちゃいない、と考えます。
額面通り、成功を誇示する規模で壮大なモノを単純に作りたかっただけだった、のだと思います。 企画会議だっておそらく、奇跡的にメンバーが揃った、わずか10分程度の出来事だったはずです。


  アクセル  「後半どぅする?」
  スラッシュ 「んー。 殺しちゃうか。 で、お前はジタバタするっつーことで」
  一同    「いいねそれ!(笑) 最高YEAH……!」
  アクセル  「演出さん、スジなんていいから派手にやってよ」


無意識にもガンズのメンバーたちは、このクリップを作ってしまった。
ここに面白さがあります。無意識にも、彼らは自分たちの未来を予見してしまったのです。

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皮肉なものでこの92年、ノーベンバー周辺。
ほぼ同時期に、NIRVANAがファーストを出しグランジに光を灯し、そしてLAではレッチリが台頭していきます。ホワイトカテゴリーでの世代交代は確実に詰め寄っていたのです。
いずれにせよ「成功の女神」はこの年以降、移り気にもアクセルたちの元を去っていったのです。

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