わが心のBlog

by Hiroki Utsunomiya

劇論 ドラえもんの深層

ドラえもんついに米国進出する、ということで話題になっている。
ディズニーが米国版「DORAEMON」を今夏から、放送するそうだ。
ドラえもん人気はスペインなどの例外はあるが、主に東南アジアで大人気とのこと。
アメリカ進出と言うが、リバタリアンな米国人気質には合わないのではないか・・・。
と、そんなこんなを最近のトピックからまずは感じるわけだが、今日の本題にはまだ達していない。ボクがこの「米国進出」に触れ、電撃のようなひらめきがあったことを語らなければならない。
ボクははとにかくハッとした。 そのひらめきとは、こうだ。
 
 

 

 
ドラえもんはアメリカなんじゃないか?




もう一度言おう。 ドラえもんはアメリカなんじゃないか?
だからアメリカにドラえもんが輸出されるんでしょ?
ちがうんだ。そんな話ではない。
ドラえもんこそがアメリカなのではないのか? という問いに気づいたのだ。

 
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ドー ラー えー もぉーーん・・・
もうしようがないなぁのびたくんは・・・
ピコピコ! ホンヤクコンニャクぅーーー!!
 

いつもドラえもんに泣きつきすがるのび太は、戦後日本を覆う特性ではなかったか?
のび太ドラえもん頼りは常軌を逸している。ドラえもんのび太ジャイ子と結ばれる未来をかえるべく、未来からやってくる。なんて過保護なんだ。
この設定は冷静に考えれば異常事態だ。(ジャイ子にも失礼だろうよ。ケッコンするくらいなんだから。)それをみんなシレッと迎え入れている。ふつうに迎え入れている。それはTVの中でも、外でも。のび太の母玉子はなんの違和感も感じず、ドラえもんにどら焼きを差し出すのだ。それも無償で
 
そしてドラえもんの風貌。
それ自体が、青・白・赤・・・見事に星条旗の色から成っている。
この配色は偶然だったろうか。あとスズだ。 ネコだけに鈴?
しかしドラえもんのそれは鳴らないのだ。 故障中らしいが、ではなぜ外さないのだろうか?
洋を問わず鐘(かね)は啓示の象徴であり、スズは元来、呪術の道具である。祈りとも呪いともつかない、【ねがい】が首には固く結ばれているとしたら?
 
ドラえもんのもう一つのかぎは、友情だ。
40年の過程でこの「友情」の要素はやたら色濃くなり、モノに頼らず弱さを克服しようとするテーマ性(とくに長編)も、独自の進化を与えもした。しかし原理はかわらない。
 
 

どんなものでも出してくれる、夢のような相棒。心のマブダチ。
 
 
 
そんな(ムチャな)願いがドラえもんには掛けられているのではなかったか? そう。
つまり、アメリカという戦後同盟国家への願望が、ここに表れていなかっただろうか。


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ボクは今、ドラえもんの真相ではなく深層を推理して言っている。
藤子不二雄の深層。そしてこのアニメが国民的である深層をひらめきとして言っているに過ぎない。
しかし作者藤子(F)不二雄はこのパターンで多くの作品を生み出した、と言えそうではないか。「パーマン」とは「スーパーマン」の「スー」が抜けただけだ、源泉にそれがない方がおかしい。A作だが「忍者ハットリくん」(ちなみに一番すき)はそのチカラを逆に、国内に向けたわけだ。
むしろ「パーマン」や「ハットリくん」が土着ヒーローであるのに対し、ドラえもんはどうだろうか。
ドラえもんは、どうだったろうか。
とにかく藤子不二雄作品でもっとも売れたのが、ドラえもんなのである。
 
 

市民権を得られなかったパーマン = パーマンは「自警団」だから売れなかったのかもしれない
(この話も長くなるので割愛)
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これは何語だろう?

今夏からスタートする、米国ディズニー版DORAEMONにたいし。
さいごに思いを馳せてみたい。
 
冒頭で言ったが、アメリカ人には合わないはずだ。
「自分のほしいものは自分で手に入れるべきだ」という根っからの思想がある。でもその要素を、ディズニーが解析しないわけがない。では、なぜ、今、アメリカでドラえもんなのか? そのことを少し考察する。

おそらくアメリカの子供はDORAEMONを見て、
あ、アメリカだ。アメリカが映ってる」とすぐわかる。
このことが非常にキモだと思う。

それは単純に、ドラえもんの配色が星条旗で構成されているからだ。
彼らはおそらく「キャプテン・アメリカ」と同じ感覚でDORAEMONの風貌を知覚するだろう。ボクはこの効果をディズニーが狙っているとみている。
 

ネコ型のミスターアメリカがノビー(のび太)をたすける。
イケイケのスー(しずか)はノビーに一目置く。
私たちの住んでる、アメリカって最高ね! ・・・
 
 
そんな設計がなされている、とボクは予想する。でなければリメイクする必要も、マーケットもないからだ。米国版はほとんど別物になる可能性が高い。新たなヒーロー像の欠如や模索もここにあるだろう。ひいてはアメリカがドラえもんに着手するまでに迷い、混乱し、弱くなっているのかもしれない。
 

とにかくこれだけは、いっておきたい。
ゆえに、だが、ディズニー版DORAEMONは、けっして、泣くことがないだろう
ロボットのドラえもんがなぜ泣くのか、泣いてくれるのか。
オリジナルを知る人々は、それを、無意識にも痛いほど知っているのだが。



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みたろ、ドラえもん。 かったんだよ。
ぼくひとりで。 もう安心(あんしん)して帰れるだろ、ドラえもん
 
 


ググったが、「戦後と藤子不二雄」に関する考察は見当たらなかった。
だからあえて、ここに発表する。戦後文化論として。 ドラえもんアメリカ論として。

 
 
 
 
 
さて。この旅のラストはこれで。
哭きえもん」! 一番うしろはジャイアンね。笑
「あんた、背中が煤けてるぜ」 「やかましいぃぃ! ポンじゃい!」
 
img_9074e79a122f149bd81f882ab570634a.jpg (c)ロックンクン