わが心のBlog

by Hiroki Utsunomiya

なでしこマター2023


7月15日追記
昨日14日、NHKで日本戦と開幕/決勝戦の放送が発表された。まさに土壇場の契約締結により、放送される運びとなった。


その数日前の記事です。ではどうぞ。

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女子ワールドカップサッカー、2023大会。この放映が日本にはない問題について書きます。


上記記事からこちら抜粋し、感慨を述べる。

今回発表されたリストによると、大会に参加する32か国のうち放映が決まっていないのは日本、フィリピン、ハイチの3か国。一方で189の国と地域では放映先が決まっていることが明かされた。




◉2022男子大会と同じ問題

記憶に新しいのが2022カタール大会の放映権の問題だった。開催年の5月くらいまで決まらず、結果アベマが大量融資し大衆にとって「アベマ様様」となった事件。おぼえてますよね?

これは日本でのW杯全体の放映権が350億円とも伝えられていて200億をアベマの親会社サイバーエージェントが出資、ノコリをNHKと、日本戦のみを放送したい民放が出したとのことだ。


・・・。


そんなですよ、状況は。
で、FIFAからの提示額は「国ごとにちがう」と理解するのが妥当だ。「各国に示された国別放映権料」さえ判ればいかに「日本がぼったくられているか」わかろうものだがそこは中々出てこない。が、


ぼったくり行為と把握するが妥当、ということ。スイスのFIFA本部は、どうやらまだ日本を90年代水準の体力の持ち主と思っているわけだ。

今回女子の記事も「国別に提示された放映権料リスト」さえあれば一発で把握できるがそれはない。
このあたりも日本のジャーナリズム弱しに想うが(他も当たったがリストは見つからない)とにかく、そんな「差分」をイマジンして記事にあたればいい。


「見れないのはフィリピンとハイチと日本だけ」


というFIFAの言い分が平等なはずもなく、相変わらず「日本限定」の冷酷な提示額から1円も折れないFIFAと、人気・視聴率・メリットなどどう秤に掛けても動けないメディア側が居ることになる。



で、もしそうなら、それでいいでしょ



とオレは想う。
もはや、とっくにステージはマネーゲームであり、かつ、日本というぼったくり対象とされた国の、国力と人気と実力それら全ての影響系であり、無邪気に「無料で!」「そこをなんとか!」などというレベルにないからだ。2011年の栄光で沸いた「なでしこ特需」も今や残念だが過去となり久しい。

言わんやジェンダーの話でもない。FIFAは「女子サッカーの地位向上を!」と叫ぶがそれはもっともらしい政治カードの一つに過ぎず、地域性はむしろ計算しまくり放映権を操作する姿に変わりはない。

この問題に日本も慣れておいた方がいい。

出せないものは出せないだろう。
で、その姿から認めて、向こうがヤクザなのも認めて、NOというものはNOというほかなかろう。
瞬間的に沸いた「2011年特需」から12年。2016年リオ五輪予選で確実に一時代が終わり、メディア側の「NO」の態度も認めて然るべきだから。我々は直接的なステークホルダーではないのだ。
(栄光からの顛末は末尾ブログを読んでね!)



◉今のなでしこを少し分析す

サッカーという純粋スポーツで語ればむろん


スーパーがんばれ、なでしこ!


ですよ。情緒で言えばそりゃそうですよ。
で、少し、女子日本代表について書く。

現日本代表はアーセナル所属だった岩淵真奈を冷静に不選出にしている。彼女の調子が上がらないからだがそんな「ネームバリューに囚われない」本気度をオレは今回評価している。

女子サッカーの世界戦は体力と身長に任せた「旧・国見サッカー」が勝ちやすい。身体能力ゴリゴリのパワープレーにいつも負ける日本、という印象しかないが、今回170センチを越える選手として

DF 熊谷(ローマ)
   (ローマ)
   石川(浦和)

を用意していて、DF陣の屈強さが目立つ。
対してMFは158〜165位の選手しか、いない。
悲願のワールドカップ選出となった楢本選手も158センチ。マンCの長谷川アーセナル長野など注目選手はいるが、よっぽど足さばきが上手くないと敵に掴まることだろう。FWの4人を観ると162〜165cm と高さはさほどない。


つまり中盤以降、攻撃陣はみな小兵なのである。
さあ、どうなるだろうか。


・・ってなんでオレが身長にこだわるかというと前述の通り、まじで国見サッカー仕掛けてくるから。
選手達が鬼の技術で「圧」をかいくぐり、流麗なパスワークとスピードで打開していくことを願う。


でね、その上で一つの邪念を披露すれば、


上位進出は茨の道かも


と考えている。
アジリティサッカーは大会を通すと体力がもたない、というのが一つ(これは男子もそう)。それと、放映権がない列強(まだ日本を列強とするなら、だが)は日本のみ、という状況で大会に入る。
そんな国が勝ち上がっていくと想像しよう。
FIFAはよしと想うか? 審判はどう動くだろう?


・・・。


いよいよ試合全体のプロセスが観たくなる。
観て確認したい、というキモチだ。
上記記事にある通り「FIFA」で観ることとす。



◉2026年大会も覚悟を

男子大会も覚悟しておいた方がいい。カタール大会ですら「ギリ」だったことを改めて思い出そう。

それにこれも思い出してくれ。

カタール大会のアジア予選も観れずに揉めたろ? アウェイのオーストラリア戦とかさ。
試合毎に放映権をふっかけられていて、もうすでに「ひーひー」言いながら、それでもなんとかつなぎ止めたのが2022年だった。
FIFA(と子分のAFC)はヤクザとしてこれからも冷酷に日本に対しふっかけてくる。


代表戦の観れない世界線


これをイマジンして、将来はオンデマンドの、しかも英語実況のみのコンテンツに課金して日本代表戦を観る、という未来がやってくるだろう。

というわけで、では!


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なでしこのいい記事。毎度思い出して然るべし。



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さて。追記の追記
面白い記事がでてきた。
イタリアのリカルドさんの記事だ。


ここで明らかになったのは当初

放映権(当初)
イタリア提示額・・・4600万円
イギリスBBCITV・・1億4000万円


で、FIFA会長インファンティーノが激怒したこと。その後この記者の言うところの「ビッグ5」(欧州のことらしい)は全て放映が決定し、日本は恥じた方がいいと帰結している。が、


似たり寄ったりだろ?


といいたいね。イタリアもUKも当初ひどいもんじゃん、リカルドよ何を言っている?、である。
落ち着いていい。欧州も「妥協額」はそんなに高くないだろう。おそらくこの深い時期まで放映権が決まらなかったのはNHKも「折れなかったのだ」とオレは看る。


で、それでいいでしょ


日本は「FIFAのがま口」ではないことを強く主張した方がいい。オレは日本で放映なくともFIFA+で観てただろうし、男子も女子も強い態度でFIFAには当たった方がいい。これは恥でも何でもない。