わが心のBlog

by Hiroki Utsunomiya

最後のワールドカップ



「最後のワールドカップ」と題名をつけた。
今回で32チーム選抜による大会がおわり、次の大会から48チームに拡大するからだ。
今日はこれらのことについて。



◉最後のワールドカップ

正確には「もう終わった」と言えるかも知れない。
2018年ロシア大会、これが大会らしい最後の大会であった」と未来の教科書では教えるかもね、ともふと思うんだわ。そんな授業ないけど。

今回は欧州リーグ真っ只中の今月よりリーグを中断し行うからだ。11月13日まで各国リーグが行われ、それから10日後には(日本は)本番だ。このスケジュール感というのはつまり、




誰も経験したことない未体験ゾーン




である。極めてイレギュラーな大会だ。
これを「正統」な大会とみれるかどうかは、はじまってから確認する他ないだろうね。
通常なら「磨き上げ」期間として1ヶ月の合宿期間があり、これがデカイのだが、今回はない。
日本はカナダと一戦練習試合して、ハイ、本番。

選手目線では「完全に地続き」で試合が続いていく感覚だ。それがクラブからナショナルチームに変わるだけで彼らは「シームレス」だ。言わば「アジア予選」で欧州から戻るのとほぼ変わらない。



◉予期できぬ大会となるか


この状況で何が起きるのか。
正確に予想できる人など未来人以外、いない。


そう思う。これは優勝予想などにも影響するが今日はそこではなく(笑)、W杯全体として。

選手の能力値とコンディション命の「馬ナリ感」は増すだろうし、チーム戦術から「組織を上げる」サッカー中堅国には不利かもしれない。(むろんこの中堅国には日本も入るでよ?)

そうかと思えば、
馬ナリ感がもたらす「エラー」も考えられる。能力ピカイチだがうまくいかないパターンだ。

その一例が開催中の「ネーションズリーグ」だ。
欧州UEFAが主宰するリーグ。まさに各国リーグの「合間」に行われているものだが、ネーションズリーグ現在の順位は一位クロアチア二位デンマークだ。こんな興味深い現象もあるということ。

(※なお「クロアチア vs デンマーク」はオレのロシア大会ベストバウトの一戦だった。つまり「蒔いた種が育った」状況なだけ、とも言えるんだよな。ちなみに両国とも監督がとにかくいいし、国の育成計画も確かなのだろう)


日本では中山の脱退や富安の故障など、日本にかぎらず選手の故障トラブルも尽きない大会となるかもしれない。さあどんな大会になるだろう?




カタール大会ダークサイド

以上が「表層」のサッカー自体を考えたお祭り事項だ。これからはダークサイドの話を。

カントナラームなど有名な元選手たちが「カタール大会は見ない」とボイコットを(一時)表明。
オーストラリア代表チームも声明を発表し、デンマークの代表ユニホームを受け持つ「Hummel」はロゴを透明にし、警鐘を鳴らす事態に発展している(ヒュンメル、粋だぜ)。それらは、



スタジアム建設の劣悪な労働環境



に端を発している。
FIFA上層部のヤミ献金など、前回ロシア大会でも取りざたされた賄賂問題も今回もあり、巨大ビジネスと化してしまったサッカー界は、オリンピックの闇と「対」をなして双子のように似通う。


下記、YouTube動画に直近ニュースをまとめたレポートがあり、わかりやすいのでシェアする。なお、ホストの彼らの言うとおり、参考程度に。見解の一つである。





◉金と欲望のワールドカップ

次の大会からは「48ヶ国」が参加できる。
アジア枠はなんと「」だ。

「予選が予選にならない」問題はさることながら、それだけ出場できればもっとも潤沢なオイルマネーを持つアラブ諸国が出場できる。儲かるよ、と開催側は考えているだけなのではないだろうか。


これは邪推だろうか。


もっとある。
次の開催国は国ではなくエリアとなる。
アメリカ・カナダ・メキシコ開催。「アメリカ大会」と言えば聞こえは良いが、利権を3ヶ国でシェアする、そんな「目的」からはじまったのだと邪推すれば、今回のカタール大会のように開催立地の無理や不具合も予想できる。(まあ日韓大会も東京五輪もやった日本の中でこんなこと言うの、説得力ないが、私が招致したわけではないので(笑)マクロ的に言いますよ)


そもそも「アジア予選」を思い出してほしい。放映権の高騰でアウェイ戦を民放が買えなかった件を。


W杯本戦もそうだが、マジで、日本はふっかけられ続けているわけだが、今回はNHK・アベマが買い「なんとか観れる」というのが現状だ。
ふっかけられ続け「まじでもうお金ないです」+「サッカー人気低下」はじりじりと邁進中だ。


むろんワールドカップのダークサイドは今に始まらない。オリンピックのそれと同様、利権のあるところにナントやら、だ。が、そろそろ、



ピークアウト



が起きるのではないか。そんな風にも思う。
少なくとも今回は32ヶ国開催「最後の大会」であり、イレギュラーな時期であり、確実になにかひとつの「区切り」を我々は目撃することになりそうだ、とオレは考える。



祭の、裏側の話も認識した上で、今回もオレは楽しむだろう。いや、楽しむためにも一筆した。

そしてその楽しみは「有限である」ことも噛みしめながら。





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最後に。アジア最終予選2月の記事をシェア。
ここにも放映権の話と、自身のW杯へのポリシーも書いているので、よかったら読んでみてください。