わが心のBlog

by Hiroki Utsunomiya

Paraviフェア1:キングオブコント



TBSとTV東京出資の動画配信サービス「Paravi」に今月、加入してみた。
配信サービスって例えばNETFLIXならNETFLIX独占など「〇〇独占」というスペシャリティがあり、各社しのぎを削っているわけだが、今回パラヴィに入ったのもまさに「Paravi独占」が目当てだ。
その辺のマイブーム録を書きます。

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漫才の祭典「M-1グランプリ」は Amazon Prime で立て続けに全大会を観た事が以前あり今回、



キングオブコントはどうかな」



と思うに至る。が、キングオブコントはずっと「Paravi独占」。それで今回Paravi をポチった。
私はなかなかキングオブコント(KOC)に縁がないようで、ライブでは(2014年と2021年大会の)2大会しか観ていない。いつかちゃんと触れようと考えていたのでした。



Paravi のサムネイルに吐血

だからほとんどの大会の結果を知らずにいる。
で、そうなると「疑似リアルタイム視聴が可能じゃね?」と楽しみだった。
ウキウキして配信アプリに触れると・・


サムネイルが優勝者


というガックリ仕様。これにはホント落胆よ。
観る前から完全ネタバレ。初見の人間を無視した造りってどうなんだ?と。

気を取り直し。
「完全ネタバレ」に辟易しつつも、配信されている2009年の第2回からの大会を網羅した。
豊作・レベル高い年もあれば若干弱い年もあり、その時々のスタイルの流行・トレンドも追える。
番組の構成遍歴も追え、以前M1を一気見した時と同じように、これらは大変有意義。面白かった。

コントは漫才以上にやれることが増える。
が、その分仕込みも増える。「小道具」も「きっかけ」も「照明」も必要でつまりスタッフが要る
ようするにコントは「贅沢品」だ、と私は思う。

その熱気を一気見する贅沢は有り難く大変イイものでした。そのうえで今回得た感慨を(野暮ながら)大きく3点記すことにします。


・「作品」にするか
・自分を低くするか高くするか
・キャラ押しかオチるか



◉「作品」にするか余地を残すか

M-1など漫才の大会でよく言われることの一つとして「その漫才が作品になっている」というのがある。舞台上が「作品」になりすぎていて、観覧者に笑う隙がないよ、という指摘のこと。
これはコントにも言えて「作品として見せるか」「お客を巻き込むか」という建て付けに対するデザインの自覚はきわめて重要だなと改めて思う。

内輪・単独ライブでは受けるがコンペティションでは響かない、という「よくある」失敗もこの「作品にするかどうか問題」は相関するのだろうね。むろん「作品」でもよく、オレも好きだが。


◉自分を低くするか高くするか

10ナン年分を俯瞰するとやはりこの問題は不可避だなぁと、ザ・自意識
「作品にするか」にも関わるがそのコンビやグループの「自意識」の出力が笑う上でも超重要事項なんだよな。その微細なノイズを審査員はちゃんと嗅ぎ取っているし、出演者が気持ちよがれるような「かっこいいネタ」には比較的低評価が待っている。

勝者たちはそんな「自意識」というモンスターを熟知している、とも言えるでしょう。意識高いと見せて存外に低く、欲望の塊であればあるほど笑いをさそう。面白いよね。


◉キャラ押しか起承転結か

ここも面白くかつ「好み」が無限に広がる話ながらキャラで押すか、ちゃんとオチるか問題。

この点は本当に好みでしかないが、必要条件で言えば「キャラ」はゼッタイだろう。
でもこの「キャラ」という言葉だけでも、設定・役割としてのキャラの話か、そのヒトとなりの魅力についての話かで大きく異なる。もっと言うと「ネタはいいのに跳ねない」という現象もあるのでとても一概に言い切れない。

一方の指針として「そのストーリー、ちゃんとオチてる?」という問題もある。
これまた完全に好みだけど、オレはちゃんとオチていてほしいなぁと思う。落ちずに暗転、という作りは個人的にはモヤる。徹底キャラ押し攻勢や、インパクト逃げ切り型も認めるので本当に好みなんだけれども!



◉個人的ベストコント5

そんな三つの柱を感じつつ、2022年大会まで一気に見た私のベストネタ5を発表!


空気階段  火事(2021)
ハナコ   男子と女子(2018)
どぶろっく ねがいごと(2019)
バイきんぐ 先生と卒業生(2012)
東京03  旅行(2009)



結局、優勝グループから5ネタとなった。

それも、空気階段の「火事」とハナコの男子女子ネタはちょっと別格という印象。空気階段「火事」の構成力と輝きは群を抜いている。ハナコは凄まじいまでの「作品」力とフレッシュさでこれも別格だ。

東京03は正直あまり好きではなかったが、旅行のネタで認識は大きくかわった。尻叩きとトランプの「拾えオラ!」で一本だよね。司会進行役が一番「いかれてる」という、このねじれが最高だ。




2014年優勝のシソンヌは大会優勝する以前から、彼らの初単独ライブ[Une]に足を運ぶほど好きだし(この回はライブ鑑賞。優勝嬉しかったなぁ)、他にも多くの出場者の、おおくの素晴らしいネタがあるが超厳選して5つ挙げてみた。

いやー。面白いよね。

そんなParavi、マイブーム第1弾でした。
では!