TBSとTV東京出資の動画配信サービス「Paravi」に今月、加入してみた。
配信サービスって例えばNETFLIXならNETFLIX独占など「〇〇独占」というスペシャリティがあり、各社しのぎを削っているわけだが、今回パラヴィに入ったのもまさに「Paravi独占」が目当てだ。その辺のマイブーム録を書きます。
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第2弾は「池井戸潤」(敬称略)。
「半沢直樹シリーズ」はParavi 独占。
今回半沢直樹シリーズを一気見し、その後がっつりと池井戸潤原作の連ドラを百本ノックした。
見た順で記載する。
半沢直樹(2020)TBS ※独占
半沢直樹(2013)TBS ※独占
ルーズヴェルト・ゲーム(2014)TBS
下町ロケット(2018)TBS
ノーサイド・ゲーム(2019)TBS
株価暴落(2014)WOWOW
陸王(2017)TBS
鉄の骨(2020)WOWOW
アキラとあきら(2017)WOWOW
空飛ぶタイヤ(2009)WOWOW
上記の内、完走せずドロップアウトしたのが・・
下町ロケット(2018)TBS
株価暴落(2014)WOWOW
空飛ぶタイヤ(2009)WOWOW
以下、敬称略にてレビューしていきます。
◉まずはドロップアウト組から
今回完走できず、は「下町ロケット」「株価暴落」「空飛ぶタイヤ」の3作品。
完走できるかできないかは(みなさんもそうだと思うが)第一回できまってしまう。
上記3作品は極私的に興味が続かなかった、ということです。下町ロケットは確実にTBSの肝いり作品であり、人気の池井戸潤原作。みなさんの中には好きな方も多いでしょう。
けれど、オレはスピンアウトだったなぁ。
理由は幾つかあるけれど、2つだけ挙げるなら「トラブルの魅力」と「主人公の魅力」だと思う。
そのトラブル=ドラマに不可欠なモノに興味あるかということと、それを追う人物に魅力があるか。
言うは易し、と承知しつつも、でかすぎる要素だ。
TBSとWOWOWの作りの違いが測れるのも今回のフェアで興味深かったことの一つ。
TBSはむろん総合チャネルとしての資金力で、とにかく派手にポップに、第一回に全力を尽くす。
一方WOWOWは映画特化チャネルの特性からか「なで肩」が多く、徐々に高める渋い造りが多い。
個人的な話で恐縮だけど、連ドラで上述10本の作品のうち、3本しかドロップアウトしなかったのは脅威の定着率だと自分で思う。
いつもはもっとドロップするもん、オレ。笑
それくらい今回の池井戸潤特集は面白かった。
◉最高傑作半沢直樹
10本触れた中で、現時点での池井戸原作の最高傑作はやはり「半沢直樹」だと感じた。
とくに2020年新シリーズの前半エピソードだ。
半沢直樹シリーズは2013年も2020年も大きく二つの案件を10回に分けて展開するが、新シリーズ一つ目のエピソード「スパイラル買収」篇は最高傑作でしょう。
実は新シリーズも10回通すと「アトだしジャンケンですやん!」感が増えていくのだが、前半エピソードは時代にアップデートしていて本当に面白く、満を持した新シリーズとあって作り手に全く迷いなく大作。とても気持ちいい。
それに最終的なターゲットは政界。
「そりゃそうだろう」であり、新シリーズは本丸をついていてその覚悟を全くもって評価したい。
2013オリジナルもやはり燦々と輝いている。
その後の池井戸潤の大流行を作ったドラマであり、そもそも当初から北大路欣也を引っ張って来ている時点で勝ちだよな・・。香川照之の「憎たらしさ」はほとんど発明であり、バンカーの手口など実践経済的ノウハウふくめ「半沢直樹以前/以後」で分けられる程、ドラマ界のエポックメイクな作品だ。
総じて、福澤克雄演出の「キャスティングの妙」は特記として挙げたい。山根基世さんのナレーションなんて最高だ。NHK的重厚感すら担保している。
◉他作品かんたんレビュー!
ルーズヴェルト・ゲーム(2014)TBS
存続危機 X スポ根(野球)。まず山崎努が出演している時点で作品の質は1.5倍跳ね上がる。
全作品がそうだが、池井戸潤は徹底して「防御と逆転」を描く。それとヒューマニズム。本作は実業団野球チームが舞台でその野球演出は「ルーキーズ」の反省からか、相手チームを意識してドラマを短尺に収めている。その配慮と編集に好感をもった。
ノーサイド・ゲーム(2019)TBS
存続危機 X スポ根(ラグビー)。このドラマで一番面白いと感じたのが「クラブ理事会」だった。
各チームのGMが集まりどうなるのか。実業団スポーツとは大なり小なりこうでは?というリアリティがたまらない。廣瀬俊朗はじめ大学や実業団で活躍した元ラガーマンが大挙しており、とくに高橋光臣と天野慶久両俳優のバルクアップには目を瞠った。たしかに元ラガーマンなら出たい作品だろう!
陸王(2017)TBS
存続危機 X スポ根(マラソン)。
このドラマはなかなか評価が難しく、会社の存続を左右する「シルクレイ機械」が壊れる所からドラマがやや迷走する。つまり主人公(役所広司)がブレまくるのだが、ドラマによるドラマに相当助けられていて、少し疲れるストーリーという印象がある。もっともヒューマニズムが下敷きにあり、そもそも「画面の下をみる(シューズに注目する)」という行動を促すユニークさと発見に充ちたドラマだ。
鉄の骨(2020)WOWOW
なんだろうね。面白いんですよ。WOWOWドラマなんで5回とタイトなんだがずーっと見てられる。
ベタなこと言っていいすか? 土屋太鳳が美しいんですよ。で、彼女の交際相手が主人公の神木隆之介くんで、土屋さんは銀行の上司・向井理に取られそうになっているんですよ。で、肝心の神木くんは汚れた談合に手を染めようとしている・・そんな設定ですよ。このバランスで一本あるな、と感じます。
物語はストレートウェイで少々物足りないのだが、内野聖陽や柴田恭兵などキャストを味わう作品。
アキラとあきら(2017)WOWOW
スタイルは叙事詩。二人のあきらの半生モノだ。これは池井戸作品を通して異質というか、作者とドンピシャに同時代を背景に描いているのでこれは池井戸潤としても個人的力作に違いない、と感じた。
家族経営には家族への愛と、経営という「才能」の壁がある。そのジレンマを丹念に描いてゆくメロドラマだった。キャスティングとしては(ぐっと我慢したいが・・しかし言おう!)オレには田中麗奈さんがミスキャストに映った。ファンの方どうか悪しからず。
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以上、池井戸潤ドラマ百本ノックでした。
サブスクの連ドラは海外モノ含め「ハマるのが嫌」なので(笑)基本避けている。
が、今回やってみた。で、案の定、ハマる。笑
ビジネスドラマの良い所って「転がる」ところ。
恋愛ドラマやヘタするとミステリー・サスペンスでさえ、全然転がってくれない作品あるじゃない?
ビジネスドラマってその点ちゃんと転がってくれるし、転がることで影響範囲もジレンマも広がっていくので見ていてハズレが少ないんだよな。
それとロジックね。
ビジネスドラマは(ミステリ同様)ロジック的仕掛けが要求されるジャンルだから観る側は預けやすい。もちろんそのロジックが都合良すぎれば、一気に見てられない作品になってしまうわけだが!
その名手として池井戸潤原作があることに間違いない。みなさんはどんなドラマがお好きですか?
では!