正月で帰省し兄などに会うと、かならずマニアックでディープな会話になります。
兄弟姉妹の居る人はわかるでしょうけれど、兄弟だけに通じる言語があるわけです。
「金田一」の台詞をサッと出しては、まるで連歌のように返答するわけです。
私 「ア・カ・イ・ケ・イ・ト・ノ・タ・マ。 なんだろ?」
兄 「は、俳句だ!」
私 「しまったぁ−!!!」(頭を抱える)
兄 「トヨエツ版な。 ひどい出来な」
私 「ア・カ・イ・ケ・イ・ト・ノ・タ・マ。 なんだろ?」
兄 「は、俳句だ!」
私 「しまったぁ−!!!」(頭を抱える)
兄 「トヨエツ版な。 ひどい出来な」
もはや会話ではない?
いや正月の歌会をたしなんでおるわけです。ええ。それもたいへん高尚な。さて、そんな会話の中、おもしろい考察があったので紹介します。ヒーローモノ(アメコミ限定)のヒロインについて。
命題は「ヒロインはどうしたら魅力的になるか?」
◎あねご肌のB級感覚
二人(兄弟)の出した暫定的な回答。
それは、
『姉御肌のB級感覚』こそ、すばらしいヒロインである
ということだった。
彼女は、美人だろうか? ええ。まあ。ええ。OK。
語弊を恐れず話を進める。もう一度言うが彼女は、美人だろうか?
ちがう、絶世の美女(A級)ではない。しかしチャーミングなのだ。この点がとてつもなく大事だ。動いてるロイス・レーンはおそろしく魅力的である。重要すぎる。写真ではなくムービーだからだ。一枚画ではなく動く、まさに映画女優。ゆえにスチル写真なんかさほどあてにはならない。
彼女はよくスペルミスをする熱血新聞記者。(スペルミスの癖は原作にあるらしい!)なにより鼻っ柱がつよく、とてもお嬢さんとは言えない「アネゴ肌」で職場を邁進する。一説には彼女(マーゴット・キダー)自身が、こんな竹を割ったような人らしい。
が、内訳はなんだっていい。
この「アネゴ」肌気質が重要なのだ。なぜなら!
この一コマは、自宅でスーパーマンに単独インタビューを敢行するシーンのもの。
見てください。この、すこし「乙女」に戻りましたよ、感。それもちょっと久しぶりですよ、感。
この仕事と私生活の不器用なギャップ。これがたまらない効果としてさらに彼女を魅力的にする。
こういった点でも絶世の美女や、鑑賞系デルモちゃんにはぜったい出せない味が出る。もっと言えば、こうして、ヒロインの性格までにじみ出てしまうリアリティこそが、本当の「美」である。
ちなみに監督したリチャード・ドナーはアメコミ映画マニアの間では今でも「神」扱いらしい。このことは生き馬の目を抜くネット社会のなかにあって珍しい。むろん「I」を見る限り当然なのだが。
◎確実に美しすぎないこと
くりかえすが大事である。
その意味において「お、さすが。良い線ついてるね」と思えたのが、ノーラン版バットマンのヒロイン、マギー・ギレンホールである。
法令線がキュートですねー 良いですねー
立て続けに出していくが、すべて時代を獲ったヒロインである。
何をか言わんや、です
なおマギー・ギレンホールと共通して、おかめ顔である。ありがたく幸多いかんじ。「帝国の逆襲」でのハン・ソロとの別れはいまだに、というか新シリーズがあるからこそ忘れがたい。(このジャバ・ザ・ハットの奴隷(スレイブ)モードも時代を獲りましたけど)
「レイダース」のマリオン(カレン・アレン)
この姉御も最強ヒロインの一人として、映画ファンに愛されています。ボクも大好きマリオンさん。
ハン・ソロ・・じゃなかった、ジョーンズ博士とのやりとりにワクワクします。演じたカレン・アレンはなんと、実はリー・ストラスバーグ門下のメソッド系統に属する女優さんでした
ハン・ソロ・・じゃなかった、ジョーンズ博士とのやりとりにワクワクします。演じたカレン・アレンはなんと、実はリー・ストラスバーグ門下のメソッド系統に属する女優さんでした
もはやアメコミでもヒーローモノですらないけれど!(笑)最後はこの方、「アパートの鍵貸します」からキューブリックさん。こと、シャーリー・マクレーンで締めたいと思います。
まさに、B級感覚全開(失礼!)さすがワイルダー!ってかんじ。
まさに、B級感覚全開(失礼!)さすがワイルダー!ってかんじ。
いやお美しいですよ、しかしながら、というハナシをずっとしている。つまりキャラの立て方について。
あるいは演出の組み方について、である。
本当の(映画内の)「美」とは作られていく「過程」にあるのだ。では、誰が作るのか?
それは映画製作者達でありながら、同時に実は《観客自身》だ。彼らがその映画体験の過程で「好きになってゆく」から強靱な美が生まれるのだ。その過程において過度な美貌は邪魔でしかない。
もし過度な美貌の持ち主であればハンデ戦なんだ。その女性(女優)はより自分の欠点を差し出さなくてはならないだろう。
それくらいヒロインであること、ヒロインになることはカンタンではない。「自分の良さと欠点にちゃんと気づいてる」こと、このことこそが=チャーミングであり、いいヒロインの前提条件である。
本当の(映画内の)「美」とは作られていく「過程」にあるのだ。では、誰が作るのか?
それは映画製作者達でありながら、同時に実は《観客自身》だ。彼らがその映画体験の過程で「好きになってゆく」から強靱な美が生まれるのだ。その過程において過度な美貌は邪魔でしかない。
もし過度な美貌の持ち主であればハンデ戦なんだ。その女性(女優)はより自分の欠点を差し出さなくてはならないだろう。
それくらいヒロインであること、ヒロインになることはカンタンではない。「自分の良さと欠点にちゃんと気づいてる」こと、このことこそが=チャーミングであり、いいヒロインの前提条件である。
以上、ヒロイン選定委員会からの報告でした。 つづく
最後に追記ですが「アパートの鍵貸します」。
正直この二人が「ミスマッチ」だと思ったのはオレだけではあるまい。
この二人長く続かないと思う。笑
というわけで、ヒーローとヒロインにはバランスもあるが、それはまたの機会に。