わが心のBlog

by Hiroki Utsunomiya

トトロとさつきの出会う場所

2020年8月14日。
今夜「となりのトトロ」を放送するそうだ。
以下、敬称略で贈ります。

なんでも17回目の放送なんだそう。ナウシカ(18回)に次ぐ、ラピュタ(17回)同率の2位だってさ。
今日という日は「火垂るの墓」こそふさわしいだろ? なんて想うんだがトトロが茶の間に流れる。
そんな封切り当時、同時上映だった「火垂るの墓」でさえ、13回の放送、とのこと。逆に、あの作品性を考えるとそっちの方が快挙ではないかな?


この機に書いておきたいことがあって。
これは「そうか、そうだったのか」とあの時ハッとした事だ。(この際に書いておきたい)


あの時、とは高畑勲の告別式だ。
宮崎駿から贈られた言葉にこうある。



初めて言葉を交わした日のことを、今でもよく覚えている。
たそがれ時のバス停で、僕は練馬行きのバスを待っていた。
雨上がりの水たまりが残る通りを、一人の青年が近づいてきた
穏やかで賢そうな青年の顔が目の前にあった。それがパクさんに出会った瞬間だった。


(中略)
55年前、あのバス停で声を掛けてくれたパクさんのことを忘れない
ありがとう、パクさん




2年前逝去の際、
涙ながらに師でありライバルの高畑勲を弔う宮崎駿。私はその内容に改めてハッとしたのです。
そうか、あのシーンは彼らだったんだ、と——。




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となりのトトロのパンフレット




めいを背負ったさつきがトトロとバス停で出会う、もっともエモーショナルなシーン。

これは彼らだったんだ。

それくらい宮崎駿にとって、高畑勲は大きな存在であり忘れがたいモーメントだったんだ——、と。





最も個人的な事は、最も創造的だ





マーティン・スコセッシは言っている。
宮崎駿の実母は病弱で、彼自身幼少期を栃木県で送っている。最も個人的なことで彩られた傑作。
ゆえに、17回の放送を誇るのだろう。
以上、この機に書いておこうと思いました。





追伸。
このスチールを見て、やれ「めい」がいない。
トトロに喰われた、だのヌカス奴らは情緒と共感力を全く失っている。
これは劇場パンフレットのキービジュアルだ。


つまりどういうこと?
「めい」抜きで、敢えて、改めて


「これがいい」
「これがふさわしい」


って決めたんだろうが。
そして「これがいい」と決めたのは宮崎駿自身に決まっているだろうによ。周囲の「?」も押しきって。想像に難くないだろう?


どれだけハヤオにとって、原初の一日が大切だったかの証左なんだよ。パンフレットの表紙に二人だけの思い出を詰め込んでるんだっての。その気持ちの方が、ヘタな都市伝説よりはるかに良い。

たいする高畑勲への記事を掲載して今日はおしまいです。もう一度言うけど、今日の放送に相応しいのは「火垂るの墓」でしょ!



おしまい。





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