わが心のBlog

by Hiroki Utsunomiya

パリ五輪サッカー、日本終局

柔道はおわり、競歩から陸上がはじまった。
このオリンピックも折り返した。
ふー・・。書く事多すぎて気が遠くなるが、今回のサッカーに絞り語る。たぶん書き切れないので。


大会通し輝くジョエル・チマ


◉男女日本サッカー大会総論
まちがいなく「分水嶺」(ぶんすいれい)と看ていた、男女共に行われたトーナメント緒戦。



男女双方とも敗退



なんか一気に更地に戻った建設現場って感じだ。
建てられる建物に想像を膨らませていたがその工事は中止され、重機は撤収され気づけば更地。いや。どうやらコインパの駐車場になるらしい、みたいな。この町にまた一つ駐車場がふえるんだな、みたいな寂寥感。



◉男子スペイン戦総評
まあもう、相手が強かった。とは誰もが見て想ったことではないかな。オレがよかったな、と思うのは


0−1で終わらなくて良かった


ということ以外無い。
もし0−1終了ならあの訳ワカメな、人を背負った「踵」のみオフサイドという本当にうんこかつKUSOな判定に、より一層世論は荒れたろうからだ。で、


「ちがうよ!
 1−1ならその後展開はかわったよ!」


と言いたいキモチも判る。
でもその後この試合の後半に注目すると、前半日本に突きつけられた「課題」になんの対策も講じてないのでせいぜい「少しだけ盛り返した程度」の1−3で負けてたろうなと思えるわけ。全体シュート数(どれだけ攻撃できたか)も少ないしねえ。で、その前半の課題ってなに?というと


ライン間中途半端にいる
敵のアタッカーを誰が見るのか
策を敷いてない


ということに尽きる。守備デザインの話。


 ●     ●

 ●     ●    —
           ● }
 ●     ●    —
    ○ 
 ●     ●



日本の守備は「4−4−2」を敷きゾーンを守る感じだ。で、それを知り抜くスペインはあえて「わざと中途半端」なライン間に人を配置することを当然怠らなかった(彼らA代表でもオハコの戦術。ちなみにユーロではファビアンルイスがそれに当たり、ドイツ戦ではジャンがマンマークについて対応した)。

日本のA代表だと鎌田がうまいポジショニングなんだが、この試合では11番フィルミン(敵の一番うめえ奴)がフリーマンとしてライン間に常に立っていた。ここよ、ここ。



誰が見んの?
CBがみんの?
チマがみるの?


ということなんだが前半をこえ、後半になってもこの「ライン間侵入セオリーの対策」がまったくないと日本を看ていてわかった。スペインは試合が開始すると「敵がマンツーなのかゾーンなのか」この日の守備を把握したろうし、そもそもその必要さえなく、分析官の事前報告だけで充分だったんだろう。現に分析官をスペインはちゃんと帯同させている。

もうこの時点で勝敗は決していたし、日本はこういう骨・考え方こそ盗みなさいな。形だけの4−3−3、形だけの欧州っぽさはこうしたスペインのように骨から煮詰めた「本物」には手も足も出ない。
0−1でなくてよかった、と書いたが本当にスペインがちゃんと強い国で助かったよ。しかし・・



なにエジプトに負けてんだよ
こっちのシマ来んなよスペイン



って感じだ。なに負けてんだよエジプトに。
パラグアイと対戦するより日本の方がいいと調整したか?・・って邪推かね。邪推だな。まあいずれにせよすっかり「縁深い」国になってきたね。



◉大岩監督お疲れ様
大岩監督は就任以降色々と言われてきた、そんな2年半だったと思う。しかしまずもってこの監督が


ベストメンバーを
組めた例しがない
哀しい監督なのだ


ということは充分考慮しなくてはならない。この年頃の選手は引く手も数多であり、所属チームにアンダー世代招集に応じる義務もない(A代表にはその義務はある)。故に大岩監督自身、自分のやりたいサッカーのためにベストを組めたことなど一度もなく「協会の雇われシェフ」でしかなかったろう。
そんな哀しき立場のなか、U-23アジアカップ優勝など「」を積んできたからこそ、グループリーグの快進撃があったのだと思う。大岩監督にはたいへんお疲れ様でしたと言いたい。

しかしその上で上記たっぷり書いたように、対策の対策は全く足りなかったと指摘するし、なんで日本の監督って「リプレイス」(人の入れ替え)だけなんだろうな、と常に思うわけよ。上記守備デザインは構造問題を言っている。日本は伝統的に構造問題のリアルタイム解決が本当にヘタでしかない。

「このあとはA代表しかない。選手達にはこれからも成長してもらえれば」という趣旨を涙をこらえ試合後インタビューで語っていた大岩監督。自分も同意見でしかなく、もうこのあとにはA代表しかない。彼らがこの大会で何かを掴み成長に繋げられたらそれで良いのだと心から思う。しかしだ・・


なにエジプトに負けてんだよ
こっちのシマ来んなよスペイン


とは思った。二度言いました。
が最後、男子全体についてはこれを語ろう。




◉フランスーアルゼンチン戦
スペイン戦のあと、彼らのプライムタイム。要するに日本時間の深ーい明け方、フランス対アルゼンチン戦がTVerでやっていた。この強国同士がトーナメント緒戦で当たったわけだ。はっきり言って



こりゃ無理だわ
むりむり。



ということは、見ればすぐあなたも痛感しただろう。
開催国として負けられないフランスと、こんな緒戦で帰るわけにはいかないアルゼンチン。奇しくもカタールでの決勝戦と同じカードとなったこの試合はまあ控えめに言って、ガチンコ。当然ギアは1段も2段もあがりフルスロットルな試合展開で結果は1−0でフランスが勝ったが、見る限り、今のアンダー日本はとてもじゃないがここに割って入れるとは1ミリも思えなかった、ということは報告したい。

ただ悔しいのは「マーケットが開いている」ということなのだ。もう負けたので無意味だがトーナメントが上がるほどスカウトが注目する大会であり、サッカーファンもニューカマーを注目し歓迎するからだ。そういうマーケットに早々撤退したことは悔しさしかない。フランスは


マイケル・オリーセ
エマニュエル・コネ


輝きハンパなし。
オリーセに至ってはすでにバイエルン・ミュンヘン内定が決まっているし日本との親善試合でも目立っていたよね。で、マヌ・コネこそ、この大会の後高く買われていくことでしょう。ボランチの選手だが、まじで輝きハンパなかった。
日本は負けたがこれからはサッカーファンシフト。もちろんオレは決勝までちゃんと看ますよ。



◉女子なでしこ総評
ふー。男子で書きすぎたので早足でいきたいが、昨夜はなでしこVSアメリカ。


なんでアメリカなんだよ
こっちのシマくんなよアメリ


・・・。


あ・・。うちら2位通過か



って感じ。
しかしながら歴代最も弱いアメリだったように感じる。現にほとんど選手を替えないアメリカ陣営。きっとアメリカの監督はスタメン以外に大した選手がいないと判断していたんだろう。それゆえまあ、そんな弱いアメリカに勝てないってことがひと言「実力」だ。

なんでブラジル戦で魅せた谷川選手を出さないんだろう?とずっと思っていたが、彼女ケガで(選手村でのコロナ感染とのこと)ベンチにも入ってないんだね。だから日本は出したくても出せなかった。日本の台所事情もそういうわけで、そういうことなのだ。

女子サッカーは男子ほど複雑では無いので、より一層システム具合が丸見えでわかるわけですが、日本も戦略がないねえ、とは思うよね。相手が3バックでこっちも3トップで守備。だからアメリカのビルドアップが廻らないのは当然なんだけど、そのあとがダメでね。相手のボランチ掴まえてもっと囲めば獲れるのにそれはしない、とかチームとして全く徹底されてない。監督からその頭が無くシステム的穴に気づいてないから、こういう「もったいなさ」が起こる。

女子サッカーこそ、そういった戦術的賢さを求めるよ。急に体格がでかくなるわけではないので、チーム戦術で相手を無力化することは男子以上に効果的だと、個人的には思うわけです。



体格・馬力、スピード、センス。すべての局面で浮きまくり、ブラジルを一人圧倒した谷川選手
彼女の出現はまず喜びでしかないだろう。でも若手の年代から見ていた諸氏には驚くべきことではないらしく「6番から10番までこなせる、なでしこ史上最高傑作」と口々に語られる、ダイナミックな選手の登場。このことをまず祝福したいし、どんどん若手のいい選手をピックアップしていってほしい。




オリンピックサッカーを終えて
男子のトーナメントはこれからも見るし、女子も同様です。が、今回本当にいいのが、


中2日
男女が交互に行われる


という処だった。愉しませてもらったよ。
1日置けば男子、次の日は女子。また1日置けばまた始まる。これ最高ね。やるほうは大変だけど!

今回のオリンピックは中日を終え、こうして日本サッカーも男女とも終わってしまったが、まあ、とにかく毎日「思うこと」多く大変ですね。
今日本当は「柔道」も含めた「A面のオリンピック」を総じて語ろうと思ったんだが、とても無理。

柔道・・長くなるなぁ・・。もしかしたら書くことを拒絶するかも知れないが気が向いたら書きます。


というわけでおつかれした! ジャパン!