わが心のBlog

by Hiroki Utsunomiya

2022カタール大会アジア最終予選 5

11月11日、アウェイでベトナムとの対戦があった。
前回特集「4」で、


ベトナムには(どんな布陣で臨もうが)さすがに勝つはずなのでこのシリーズはしばらく休眠だ。

 


と書いたが、結果は最低得点差 1-0 だった。
休眠せず、書けることを書こうと思う。
まず勝つには勝った。が、世論は面白いほど鎮火していない


「みんなちゃんと視てるねぇ」


と感心する。
もはや「勝利」という薄い皮膜を誰も見ていない。
一様にプロセスを論じている。この姿勢がまずは正直気持ちいい。これは特集「3」でも示した通り、



〈ハードユーザーしかいない〉


と言えるから。メリットとデメリットがある。
サブスクまでして、というのはサッカーに関心のある証拠で問題意識のある人も多い。



ということ。
観る側に問題意識と「ラブ」をちゃんと併せ持つので、まさに「批評」として成立している。

そもそもサブスクとは「自腹」のことだ。笑
だから身銭を切ったうえで体感する不甲斐ない試合に「感動をありがとう!」とはならんのだよ。
(カンドウヲアリガトウとは「無料への御礼」だろう)


ここが地上波とのおおきな、大きな違い。


慎ましくも、みながチケットを買っている
むろんホント、メリットデメリットはある。
チケット購入とはそれだけ「閉架」だ。ファンの分母拡大にはつながらないだろう。が、殊このラウンドに関しては、健全な炎上を示している様に想う。この「ざわつき」はとても大切な共有物である。


もっとも。
オレなんかはどんな試合だったとしても愉しい。


マニアやファンというのはそういうものだ。
どんなにク●つまらない映画でも「なんでこんなにつまらんのだろう」と分析したり自分ならと想像する楽しみがあるように。それら「プロセス・工程」を愉しめることこそがオレは豊かさだと想う。


なので前提として、

「どんな試合でも愉しい」

言い換えれば、

「どんな試合も判例となる


次のオマーン戦など楽しみで仕方ない。
とまずは言っておく。——そんな長い前置きね。



ベトナムとの違いを確認しよう

まず対戦国ベトナムとの立ち位置を整理しよう。
情緒で言えばキリないからな(訪れたい国ですよ)

サッカーでは「一度もW杯に出てはいない」。

今回のGLでも中国と争う「弱小チーム」と計算しなければならない。もっともオマーンもW杯に出てはいないしFIFAランクでも相当の差があることを認識しなければならない。


なぜか?
なぜそう認識しないとまずいか——?




そもそも日本ってさ
〈W杯ベスト8〉
目指してるんだよな?





この〈大目的〉を今一度確認したい。
同じくメキシコという国がそうであるように、日本もベスト16の壁を突破することが悲願なんだろ?

その大目的に立ち返れば、ベトナム戦は圧倒して勝たなければならなかった。
むろんヨーロッパで戦う選手ばかりだろうに。アジア予選で躓いている場合では当然、ない。


が、


が、である。結果は1−0。



◎攻撃面の悲惨さ

これでGLを一巡したが、

9月代表WEEK
日本(ホーム)  0-1 オマーン
サウジ(ホーム) 1-0 日本
10月代表WEEK
中国(ホーム)  0-1 日本
日本(ホーム)  2-1 オーストラリア
11月代表WEEK
ベトナム(ホーム)0-1 日本


3勝2敗。勝ったとして全て1点差。
(豪州戦が試金石だったがこれさえ、代表ウィークの「緒戦」でなくて本当によかったろうよ)
得点の数は5試合で、わずかだ。
一方で、こうして揃えると、



2連敗のあと3連勝。上向いてるじゃん」



と感じるかも知れない。
しかしまさに前述の「ちゃんと視てる」につながるのだが、世論はもっと奥を看ている。

ベトナム戦の不甲斐なさ。
内容のなさ。

これはDAZN未加入者はわからないと思うので、一つのデータを提示する。
これは大迫選手の個人成績だ。


f:id:piloki:20211114132038j:plain Twitter より拝借



◎硬直化するスタメン選考

ベトナム戦。
大迫のシュート数を注目してくれ。
75分出場した彼のシュート数はゼロ
どれだけ不甲斐ないかの一つの、証左だ。彼を出し続ける意味が、正直わからない。

これも情緒を切って言っている。

情緒で言えば、大迫の全盛期は世界有数のポストプレーヤーだった。お世辞を言っていない。
あれだけ「おさまる」選手も世界にそうはいなかったはずだ。世界の方が知らなかっただけでね。

長友も、柴崎も同様だ。

これが「スポーツ」である限り、衰えはどの選手にも確実にある。彼らは全盛期にはほど遠い。
そこへの〈眼差し〉・・科学的な視点をどれだけ持ってんだろうな、この指揮官は。それに、


どれだけの「世論」が今、
ただしく訴えているだろうか。


と感じる。だから事実、事態は炎上している。
もうこの指摘にも「疲れ果てている」。
そんな状況だろう。


固定化、固定化、固定化


〈2年前からオレの論陣〉もかわらない。ちゃんと未来を警告してもいる。
むろんキレイに裏切ってくれればいいんだが、指揮官森保が裏切ってくれんからだ。

攻撃のデザインがなさすぎる。
唯一あるとすれば「個人技でぶっちぎれ」。
現状「戦術、伊東純也」だろうに。

(なおこの歴史で辞書もいっぱいよね。ハリルの時なんてすごかったでしょ。で、みんな「諦めて」大人しくしてたら、急に解雇。あれもひどかったねぇ。結果オーライ? どうかな。協会の動きは全く感心できん=詳しくは〈以前のブログ〉で。)



◎なぜ4−3−3が不発だったか

そろそろ核心部分。
前回豪州戦を辛くも勝った、その布石となった新システム「4−3−3」。圧倒しなければならなかったベトナムに、なぜ機能しなかったのか? このギモンが大半だろう。



答えは簡単だよ。

かみ合ってないから。



色んな見方があるしオレのこの見解が正しいわけではない、とは述べつつ進めるが、


5−3−2


敵は守備的な陣形を敷いてきた。まずは、



守備陣形に守備陣形



が当たっている。というのがまず一つ。
後方セットアップ重視の「4−3−3」では敵の5バックを強襲する威力にはならない、ということ。
相手だって「クサビ」を警戒するし、落ち目の大迫はミスも目立ったカタチとなった。
でももっと重要な欠陥が、



相手の2トップに対して
日本は同数の2センターで
守っている




ここよ。ヘソのポイントはココ。
ベトナムも頑張っていて、2トップは固持していた。そこを吉田と富安、という同数で守っている。
むろん歴代最強2センターなので大丈夫っちゃ大丈夫だが、実は吉田がサイドに誘き出され危ないシーンはあるには、あっただろ?(観た人へ)



❸まじで森保は素人なのか?
2トップには3バックだろが



ってかんじ。
君の大好き(だった)3バックの時間だろうに。
もっとも。試合が始まるまで、



❹敵の陣形はわからない



当然だよな? しごく、当たり前のコトだ。
つまり! 指揮官に求められるは——




試合中の可変とその意識



なんだよ。この 察知能力 もっとも大事
プロなんだから、相手の陣形察知に5分と掛からんだろう? それも相手はベトナムだ。
とりあえず「3枚」に変えておけば試合中脅威が訪れることはほとんどない。


「残りの7枚で頑張ってね」


でよかったし、なんならその3バックが▽に張り出せば、超ポゼッション体制にもなれた。森保は


リアルタイムの可変が全くない。


ほんと陣形を看るプロなのかね?
いわんや年俸1億をもらう監督の所業なのか?
同様に選手もボリバレント性を求めるが。この場合遠藤が降りて3バック作れば美しかったがね。
(そのためのアンカー布陣ちゃうんか!っての)


「飛行機が遅れた? 連携不足?」


しらねえよ。だよな。いつからやってんだって。
むろん指揮官以下、誰もその遅延を言い訳にはしていない。しかし敢えて言うが、


「代表ウィーク緒戦がへたすぎ」


本当にへたくそ。森保、ユーのことだ。



◎森保包囲網、絶賛継続中

そもそも豪州戦「4−3−3」は彼にとって、


成功体験なのだろうか?


「これさえやれば勝てるんだね!うんうん!」マインドだとしたら余りにお粗末だし、ベトナム戦はその期待をちゃんと裏切って見せた。
(だからみんな騒いでいる)

豪州戦の成功体験をトレースするように、



スタメンは10人が一緒



酒井がケガってだけでね。その上ご丁寧に、



変えるメンバーまで一緒



ときた。この「ためいき感」はハンパない。
ある意味お見事、としか言いようがない。

もっとも。長友リプレイスの中山は素晴らしく計算が立つことを証明した。彼は起点になる。
内田篤人も言っているが「サイドバックで試合をつくる」。そんな、つくれる選手がほしい。

実際彼以外にも、旗手なんて新戦力もある。旗手は中盤もやれるまさにボリバレントな選手だ。
成長株の三苫を観たい人も多いのだろう。活きのいい選手達を使わない道はなかろうに。
試さないといけない人材は、山ほど居る。



今回代表に28人も呼んでいる。



この絶望感をオレは考えている。
28人の中、どれだけの選手が出場せずクラブチームに帰っていくのか、ということを。
ベトナム戦はその意味でも「ほぼ唯一のチャンス」だった。前半3-0で多くを出したかっただろ。
指揮官が彼らに「ワンチームだ」とどんなに呼びかけたところで、今、ロッカールームは危険水域にあるように想う。「更迭論3」を引用する——


「闘うヨォー!」


だけではない、選手の迷いをラクに整理することも監督の役割だ。当たり前だけど。
森保氏はモチベーターとしての自身の実績に、自信もあるんだろう。それで食っていける、とまで自信を持ってるんだろう。
いいよ。だが同時に、モウリーニョを想い給えよ。

つまりモチベータータイプの
(最高の)監督がいつも、どんな最後を迎えるか、を。

モチベーターは選手に見限られると崩壊も早い。
現に森保氏は、今世論に見限られつつあり、選手との間も非常に危険だろう。サンフレッチェの最終年もひどいもんだった。今回の崩壊劇も一気だ。




書出したら、結局まとめるまで書いたよ。笑
長くなってごみんに。

まあすべてラブですよ、ラブ。
冒頭を繰り返すが、なんであれ、愉しいのよ。
愉しく、そして確実に、判例なのだ。


オマーン戦。
中東の笛込みのリベンジマッチ。


さあどう出るかな、森保よ。
シュートゼロの大迫を使うのだろうか。
左サイドは中山にスタメンを任すだろうか。
他の選手はどれだけ出るだろうか。
試合中の可変は、あるだろうか。


見どころ満載で、
オマーン戦も楽しみで仕方ない。
(皮肉を言ってない)


では!