11月11日、アウェイでベトナムとの対戦があった。
前回特集「4」で、
ベトナムには(どんな布陣で臨もうが)さすがに勝つはずなのでこのシリーズはしばらく休眠だ。
と書いたが、結果は最低得点差 1-0 だった。
休眠せず、書けることを書こうと思う。
まず勝つには勝った。が、世論は面白いほど鎮火していない。
「みんなちゃんと視てるねぇ」
と感心する。
もはや「勝利」という薄い皮膜を誰も見ていない。
一様にプロセスを論じている。この姿勢がまずは正直気持ちいい。これは特集「3」でも示した通り、
〈ハードユーザーしかいない〉
と言えるから。メリットとデメリットがある。
サブスクまでして、というのはサッカーに関心のある証拠で問題意識のある人も多い。
ということ。
観る側に問題意識と「ラブ」をちゃんと併せ持つので、まさに「批評」として成立している。
そもそもサブスクとは「自腹」のことだ。笑
だから身銭を切ったうえで体感する不甲斐ない試合に「感動をありがとう!」とはならんのだよ。
(カンドウヲアリガトウとは「無料への御礼」だろう)
ここが地上波とのおおきな、大きな違い。
慎ましくも、みながチケットを買っている。
むろんホント、メリットデメリットはある。
チケット購入とはそれだけ「閉架」だ。ファンの分母拡大にはつながらないだろう。が、殊このラウンドに関しては、健全な炎上を示している様に想う。この「ざわつき」はとても大切な共有物である。
もっとも。
オレなんかはどんな試合だったとしても愉しい。
マニアやファンというのはそういうものだ。
どんなにク●つまらない映画でも「なんでこんなにつまらんのだろう」と分析したり自分ならと想像する楽しみがあるように。それら「プロセス・工程」を愉しめることこそがオレは豊かさだと想う。
なので前提として、
「どんな試合でも愉しい」
言い換えれば、
「どんな試合も判例となる」
次のオマーン戦など楽しみで仕方ない。
とまずは言っておく。——そんな長い前置きね。
◎ベトナムとの違いを確認しよう
まず対戦国ベトナムとの立ち位置を整理しよう。
情緒で言えばキリないからな(訪れたい国ですよ)
サッカーでは「一度もW杯に出てはいない」。
今回のGLでも中国と争う「弱小チーム」と計算しなければならない。もっともオマーンもW杯に出てはいないしFIFAランクでも相当の差があることを認識しなければならない。
なぜか?
なぜそう認識しないとまずいか——?
そもそも日本ってさ
〈W杯ベスト8〉
目指してるんだよな?
この〈大目的〉を今一度確認したい。
同じくメキシコという国がそうであるように、日本もベスト16の壁を突破することが悲願なんだろ?
その大目的に立ち返れば、ベトナム戦は圧倒して勝たなければならなかった。
むろんヨーロッパで戦う選手ばかりだろうに。アジア予選で躓いている場合では当然、ない。
が、
が、である。結果は1−0。
◎攻撃面の悲惨さ
これでGLを一巡したが、
9月代表WEEK
日本(ホーム) 0-1 オマーン
サウジ(ホーム) 1-0 日本
10月代表WEEK
中国(ホーム) 0-1 日本
日本(ホーム) 2-1 オーストラリア
11月代表WEEK
ベトナム(ホーム)0-1 日本
3勝2敗。勝ったとして全て1点差。
(豪州戦が試金石だったがこれさえ、代表ウィークの「緒戦」でなくて本当によかったろうよ)
得点の数は5試合で、わずか4だ。
一方で、こうして揃えると、
「2連敗のあと3連勝。上向いてるじゃん」
と感じるかも知れない。
しかしまさに前述の「ちゃんと視てる」につながるのだが、世論はもっと奥を看ている。
ベトナム戦の不甲斐なさ。
内容のなさ。
これはDAZN未加入者はわからないと思うので、一つのデータを提示する。
これは大迫選手の個人成績だ。
Twitter より拝借
◎硬直化するスタメン選考
ベトナム戦。
大迫のシュート数を注目してくれ。
75分出場した彼のシュート数はゼロ。
どれだけ不甲斐ないかの一つの、証左だ。彼を出し続ける意味が、正直わからない。
これも情緒を切って言っている。
情緒で言えば、大迫の全盛期は世界有数のポストプレーヤーだった。お世辞を言っていない。
あれだけ「おさまる」選手も世界にそうはいなかったはずだ。世界の方が知らなかっただけでね。
長友も、柴崎も同様だ。
これが「スポーツ」である限り、衰えはどの選手にも確実にある。彼らは全盛期にはほど遠い。
そこへの〈眼差し〉・・科学的な視点をどれだけ持ってんだろうな、この指揮官は。それに、
どれだけの「世論」が今、
ただしく訴えているだろうか。
と感じる。だから事実、事態は炎上している。
もうこの指摘にも「疲れ果てている」。
そんな状況だろう。
固定化、固定化、固定化。
〈2年前からオレの論陣〉もかわらない。ちゃんと未来を警告してもいる。
むろんキレイに裏切ってくれればいいんだが、指揮官森保が裏切ってくれんからだ。
攻撃のデザインがなさすぎる。
唯一あるとすれば「個人技でぶっちぎれ」。
現状「戦術、伊東純也」だろうに。
(なおこの歴史で辞書もいっぱいよね。ハリルの時なんてすごかったでしょ。で、みんな「諦めて」大人しくしてたら、急に解雇。あれもひどかったねぇ。結果オーライ? どうかな。協会の動きは全く感心できん=詳しくは〈以前のブログ〉で。)
◎なぜ4−3−3が不発だったか
そろそろ核心部分。
前回豪州戦を辛くも勝った、その布石となった新システム「4−3−3」。圧倒しなければならなかったベトナムに、なぜ機能しなかったのか? このギモンが大半だろう。
答えは簡単だよ。
かみ合ってないから。
色んな見方があるしオレのこの見解が正しいわけではない、とは述べつつ進めるが、
5−3−2
敵は守備的な陣形を敷いてきた。まずは、
❶守備陣形に守備陣形
が当たっている。というのがまず一つ。
後方セットアップ重視の「4−3−3」では敵の5バックを強襲する威力にはならない、ということ。
相手だって「クサビ」を警戒するし、落ち目の大迫はミスも目立ったカタチとなった。
でももっと重要な欠陥が、
❷相手の2トップに対して
日本は同数の2センターで
守っている
ここよ。ヘソのポイントはココ。
ベトナムも頑張っていて、2トップは固持していた。そこを吉田と富安、という同数で守っている。
むろん歴代最強2センターなので大丈夫っちゃ大丈夫だが、実は吉田がサイドに誘き出され危ないシーンはあるには、あっただろ?(観た人へ)
❸まじで森保は素人なのか?
2トップには3バックだろが
ってかんじ。
君の大好き(だった)3バックの時間だろうに。
もっとも。試合が始まるまで、
❹敵の陣形はわからない
当然だよな? しごく、当たり前のコトだ。
つまり! 指揮官に求められるは——
❺試合中の可変とその意識
なんだよ。この 察知能力 がもっとも大事。
プロなんだから、相手の陣形察知に5分と掛からんだろう? それも相手はベトナムだ。
とりあえず「3枚」に変えておけば試合中脅威が訪れることはほとんどない。
「残りの7枚で頑張ってね」
でよかったし、なんならその3バックが▽に張り出せば、超ポゼッション体制にもなれた。森保は
リアルタイムの可変が全くない。
ほんと陣形を看るプロなのかね?
いわんや年俸1億をもらう監督の所業なのか?
同様に選手もボリバレント性を求めるが。この場合遠藤が降りて3バック作れば美しかったがね。
(そのためのアンカー布陣ちゃうんか!っての)
「飛行機が遅れた? 連携不足?」
しらねえよ。だよな。いつからやってんだって。
むろん指揮官以下、誰もその遅延を言い訳にはしていない。しかし敢えて言うが、
「代表ウィーク緒戦がへたすぎ」
本当にへたくそ。森保、ユーのことだ。
◎森保包囲網、絶賛継続中
そもそも豪州戦「4−3−3」は彼にとって、
成功体験なのだろうか?
「これさえやれば勝てるんだね!うんうん!」マインドだとしたら余りにお粗末だし、ベトナム戦はその期待をちゃんと裏切って見せた。
(だからみんな騒いでいる)
豪州戦の成功体験をトレースするように、
スタメンは10人が一緒。
酒井がケガってだけでね。その上ご丁寧に、
変えるメンバーまで一緒。
ときた。この「ためいき感」はハンパない。
ある意味お見事、としか言いようがない。
もっとも。長友リプレイスの中山は素晴らしく計算が立つことを証明した。彼は起点になる。
内田篤人も言っているが「サイドバックで試合をつくる」。そんな、つくれる選手がほしい。
実際彼以外にも、旗手なんて新戦力もある。旗手は中盤もやれるまさにボリバレントな選手だ。
成長株の三苫を観たい人も多いのだろう。活きのいい選手達を使わない道はなかろうに。
試さないといけない人材は、山ほど居る。
今回代表に28人も呼んでいる。
この絶望感をオレは考えている。
28人の中、どれだけの選手が出場せずクラブチームに帰っていくのか、ということを。
ベトナム戦はその意味でも「ほぼ唯一のチャンス」だった。前半3-0で多くを出したかっただろ。
指揮官が彼らに「ワンチームだ」とどんなに呼びかけたところで、今、ロッカールームは危険水域にあるように想う。「更迭論3」を引用する——
「闘うヨォー!」
だけではない、選手の迷いをラクに整理することも監督の役割だ。当たり前だけど。
森保氏はモチベーターとしての自身の実績に、自信もあるんだろう。それで食っていける、とまで自信を持ってるんだろう。
いいよ。だが同時に、モウリーニョを想い給えよ。
つまりモチベータータイプの
(最高の)監督がいつも、どんな最後を迎えるか、を。
モチベーターは選手に見限られると崩壊も早い。
現に森保氏は、今世論に見限られつつあり、選手との間も非常に危険だろう。サンフレッチェの最終年もひどいもんだった。今回の崩壊劇も一気だ。
書出したら、結局まとめるまで書いたよ。笑
長くなってごみんに。
まあすべてラブですよ、ラブ。
冒頭を繰り返すが、なんであれ、愉しいのよ。
愉しく、そして確実に、判例なのだ。
オマーン戦。
中東の笛込みのリベンジマッチ。
さあどう出るかな、森保よ。
シュートゼロの大迫を使うのだろうか。
左サイドは中山にスタメンを任すだろうか。
他の選手はどれだけ出るだろうか。
試合中の可変は、あるだろうか。
見どころ満載で、
オマーン戦も楽しみで仕方ない。
(皮肉を言ってない)
では!