わが心のBlog

by Hiroki Utsunomiya

ロストワールド・ロストカルチャー

とあることで明治中期、大体〈1880年〉の風俗を調べている(ネットでね)。まさに大河ドラマ「青天を衝け」の時代なわけだが、


ほんときつい。


歴史上の有名人についてなどではなく、庶民の生活史・風俗史っていつの時代も「泣き所」だが、


いやーほんときつい。笑


調べるのはたいへんだ。
写真はわずかだし、あってもカメラ自体が金持ちの道楽だからモチーフ偏ってるし、じゃあ絵画から当たるか? と浮世絵に当たっても「上澄みのこと」=文明開化しか書いてない。


「明治中期 風俗 浮世絵」


なんてググると「春画」ばかりでてくるし!ヲイ!


フーゾク
じゃねえ! 風俗だ!
庶民生活のことだ! 民俗であり習俗だ。


「風俗」


と書いたり言うだけで「よからぬもの」と思う輩こそ、日本語のリテラシーを疑うね。「風俗史」とはおっぱい(だけ)の歴史じゃない。


それだけのジャンルは「性風俗」!


で、風俗の中のごくごく一部のセクションを指すだけだからな? OK?
多くの日本人よ、これはしっかり言っておく。(が、多数決になったら負けそうなことは認める)


とにかくほんと泣きどころ。

鹿鳴館? だからなんだ?って感じ。
そんな上澄みのこと訊いてねえ!と逆ギレだわ。私の印象では、



日清戦争以前 before 1894



ってものすごく資料少ないと思う。真空地帯
文学に頼ろうにも森鴎外の「舞姫」でさえ1890年の出版だ。あの夏目漱石1863年生)が17歳から27歳の時期・・。「我が輩は猫である」が1905年の作品であり、1880年代は文学面でもバリバリ暗黒期。というか、日本がまだ「胎児」の印象だ。


青天を衝けも大変だろうな・・とマジで思う。
この明治中期を(ネットで)漁っていると、


「大正時代なんて余裕だ。超現代だわ」


なんて思いますよ。ハイカラさんの時代なんて明治中期に比べたら資料ありまくりですよ。
逆に明治初期の方がまだ全然資料はあるはずで、幕末なんて宝庫だろう。人気のある時代は強い。
その20年後〈明治中期〉はかなりロストワールド過渡期中の過渡期。人気も研究者もなかなかないのだろう。
都市部はおろか、いわんや農村部なんてさらに資料少ないんだろうな・・と気が遠くなる。


完全に「時代劇」だ。


時代劇とはチャンバラのことでは決してない。「失われた時代の物語」を指す。
ゆえに明治時代もモロ時代劇であり、なんなら80年代も90年代も時代劇、だ。

だってみなさん。「パキ村」って憶えてる?
バブルの頃から90年代中期まで、上野公園にはそんなアジアの「村」があったことを。
当時はすんなりあったものだが今では思い出されもしない、ある種のファンタジーではないか。


街は生き物であり、常にロストシティーだ。


私たちは〈コロナ以前〉でさえ再現できるのだろうか?


また仮に「再現」できたとしてその時代の「情熱」まで、どれだけ写し取れるだろうか。




今日は脈絡なく徒然と記しました。では。