わが心のBlog

by Hiroki Utsunomiya

AMAZONを想う

10年以上座り続けたデスクチェアが逝った。
リクライニングしてボケーっとしてたら「ゴキ!」と付け根のボルトから逝った。その瞬間なんて


「あーい! このまま後ろに倒れるぅー!」


とスローモーション。(倒れなかった)
私は物持ちがいい(執着があったりなかったり)ので本当にこれを買った時を憶えていない。
どこで買ったのだろう・・。座り続けて十数年。

フツーに寿命である。もうどんなにボルトを締めても背もたれは戻ってくれない。


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◎デスクチェアの旅

そこで心の旅に出た。笑

ハーマンミラー
エルゴヒューマン


このあたり高級デスクチェアとして有名だ。
また調べると日本も負けてない。

オカムラ
エクセア


国内ではオカムラが有名だが、エクセアというブランドもある。
これね、稲葉製作所なんだよ。物置のイナバ。ここが高級チェアを出している。なかなか渋い。
が、思想/デザイン面では結局のところハーマンミラーエルゴヒューマン追随なのだろう。
このあたり「オリジン強し」なのかもしれない。しかしそんな心の旅を一通り愛でると、



冷静に我が身を看る



という至極当然の帰結に落ち着く。笑
10マン20マンのチェアなんて、・・ああ


じっと手を見る。




◎実際着座の旅

今も故障中の椅子に座りこれを書いている。が、私は3軒ほど大型家具屋、総合店舗を巡った。
ニトリも回ったよ。)

秋葉原に行けばショールームもいっぱいあるだろう。しかし「具合」が見たいわけで近場である。

そして粛々と、座る。

ひたすら座る。

まるで家電屋のマッサージチェアに「ずっと居座る人」のごとく座った。そして私は悟ったのだ!



「なるほど。」



わかったのは座り心地と価格帯。

1/4/7


1万円台の次に4万円前後のグレードがあり、その次のグレードは「7」である、と。
座り比べると如実にわかるものだ。
しかし、それ以上の所謂超高級チェアは


「こんなもんか」


である。
大型家具屋にはエルゴヒューマンも、オカムラコンテッサIIもあったので座った。が、


「価格ほどの感動はない」


というのが正直な感想となる。
20万近くの椅子にどれだけの感動があればいいかはわからないが、もはや道楽でしかない。

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◎流通リテラシーを駆使す

某大型家具店で座ったチェアが大層気に入った。
しかし値札を見るに、


「く・・。価格、7マン弱か・・」


出せん・・。出せっこない。
が、いい感じだ・・。座るといい感じだ・・。

とてもいい感じだがスピンアウト。
家でわが心との打合せとなる。こういう時の私はスイッチが入り、悪魔的洞察力を発動させる。笑
帰宅後型番を調べるわけだが、調べるとそれは


「オリジナルブランド商品」


だとわかった。某大型家具店オリジナル商品。
こうして商人が「オリジナル商品」と触れるとき、オレなんかはこう察するのだ。



OEMの可能性がある



と。
OEMとは「Original Equipment Manufacture」、作った製品を自社ブランドではなく、販社流通ブランドに売る販売方法である。
この場合、カタチはまるで一緒でも販社によって「ネーム」が違うだけ、ということになる。

そしてくまなく、似た椅子を探した!



あったわ・・
まったく一緒のカタチが!



名前も型番も違う。が、モノは一緒。まさしくOEMであった。それも!



違うブランド(販社)では
4マン円台じゃん・・



ほぼ半額・・
こ・・これならば・・手が・・いや!
まだだ!

ここでまた悪魔的リサーチが発動する。




AMAZONではどうか




この型の価格的打ち止めはアマゾンでも同様、4マン円の前半だった。しかしアマゾンには



膨大なレビュー



が存在する。この要素がまたデカい。
レビューを隈無く見たところ、良くなかった。
残念だが良くはなく、数ヶ月で故障した、失敗だった、買うのはおすすめしない、が目立つ。
レビューはマイナスこそ目立つもので話半分に捉えるが、それでもそのレビュー群に萎えた。


「この椅子は・・ あきらめるか・・」


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AMAZONに勝てないのか

表題に突入する。
その「椅子」自体は購入するかはわからなくなった。が、それ以上にわかることがある。




AMAZON、強ぇ・・




という、これまた至極真っ当なこの事実だ。
もう少し詳しく述べると、実店舗で感じた、


1/4/7


の棲み分け・グレードは確からしく想う。
が、OEMでは「7」が「4」であったわけだ。
ネームさえ拘らなければ、ワンランク上がる
ということは、



AMAZON「4」のスーパー
探ればよくね?




ということになってくるんだ。
狙うは4のOEM、知られてないブランドだ。

これは今回がただ「デスクチェア」だったというだけで、ほぼ全てのジャンルに通用する話だ。
そのMONO自体がどうの、以前に、



結局AMAZON
話が移行する



この移行こそが、強いし、どうにもならない。
AMAZON多国籍企業であり日本に税金をほとんど納めていない。だから買えば買うほど地場産業が苦しくなる・・と明白だが、それでもなお、



AMAZONに移行する自分が居る。



地場貢献と、わが財布&リテラシーを照らして鑑みるに、どうしても実店舗への眼差しが弱まる。
自身のセンスを駆使すればする程、そうなるんだ。

これはオレだけじゃない、世界規模の現象である。その先に何が待ち受けているか、と言う話だ。


むろん、今に始まっていない。が!

この点こそが、どこまでも強烈なことだ。

その現実に、気が遠くなりそうになる。



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こう書いていて、某大型家具店で私の隣でひたすら多くの椅子に座っていた老夫婦を思い出した。
彼らはその日に即決、購入して帰っていった。


その椅子はOEMかもしれない。
他の店ではもっと安いかも知れない。
ネットではもっともっと安いかもしれない。


が、どうだろう。何が豊かな営みなのだろうか。
最近ご老人を「デジタルリテラシーがない」だのディスる人も多いが、こうも言えるのだ、


地場に落とせるほど、豊かであり、
彼らは、正しい。
たとえ一見、愚かに見えようとも、
彼らは正しく、愚かなるは自分達かもしれない。



とね——。