※ファシズムとは「権力で労働者階級を押さえ込む」こと
禁煙ファシズムとは権力で喫煙者をおさえこむ事、またはその社会的風潮のことである。
今ドトールに居て、これを書き始めている。
喫煙ルームがあることを噛みしめながら。
禁煙ファシズムは今に始まった事でもないが、4月の健康増進法(なんだこの名称)の改正は愛煙家には痛恨すぎた。それは飲食店にとっても。
たとえばタリーズ。
これから先スタバとどう差別化を図るつもりなんだろうか。紙巻きタバコにおいて珈琲館も、星乃珈琲も、ルノアールでさえ全滅だ。文字通り、全滅。紙巻きはどの店舗もシャットアウトの様相だ。ファミレスは言うに及ばず。痛恨すぎる。——これは業界の再編・縮小が今後おこることも意味する。
逆に、地元のとある洋食屋さんは「喫煙OK」の決断を下した。つまり未成年の入店はできない。
オレ「たいへんな決断をしましたね」
店主「ええ、思いきりました」
なんでも「常連さんに喫煙の方が多いから」とのことらしい。メニューにはチョコパフェもあるが彼らは大いに舵を切ったのだ。今まで同様喫煙できる悦びと貴重さ。客である私はそんな彼らの熱意に応え、今度パフェを頼もう。
さて。こんどは嫌煙家・・
というと広いから絞りまして過激なる「禁煙ファシストたち」をイマジンしようか。彼らは
「奴ら(あ、オレか)の煙に1ミリも触れたくない」
と考える。それがオーソドックスな彼らの態度だ。
だが、ちょっと待ってくれ。
喫煙は合法だ。
もう一度言うが合法だ。
そこについて、彼らはどう考えるんだろうか?
嗜好品として広く認知されておりパイプやライターなど喫煙にまつわる文化もある。
彼らはそれでもなお「消えてなくなれ」と願うのだろうが、その【暴力性】こそを点検した方がいい。少なくとも今流行りの「多様性・ダイバーシティ」を勘案に入れてさえいない。
君にも私にも性癖があるように、人間は多様性に満ちている。そこを計算に入れていない。
少なくともオレの「喫茶店巡り」の愉しみを法律は奪いにかかっている。そんな4月からの痛恨の事態に対しても、きっと彼らはほくそ笑むのだろうさ「喫煙者の愉しみなんか奪ってやれ」と。
何度も言うが「そんなユー自身の暴力性こそを疑えよ」と私は思う。彼らに問いたい、
喫煙者は、あなたの 敵 なのか?
で、どのへんがどう、君にとって敵なの?
と——。どこがどうなんだ?
オレラは「ポイ捨て」するから??
それならそもそも、マナーの問題。で、それは飽くまで個人の品性に属する話だ。
喫煙という「行い」と個人の「マナー」を切り分けられないほどなのか、彼らの脳味噌は? タバコに限らずゴミも缶ジュースも等しくポイ捨てはマナーの問題だ。
受動副流煙の問題?
だとすれば、もう十分だろうが?
ましてや今は昭和の電車の中ではない。喫煙家も散々「教育的指導」を請けてきた歴史にある。令和の今、どれだけの副流煙が「現在」あなたの身に降りかかっていると言うのだ? 問い質したいね。
え? もしかして1CCも君に触ってはだめ?
だとするとだ、
彼らは自身の嗜好や道楽が1ミリでも許容されない場合を、想像していない事になる。楽器演奏が趣味の場合、それもミュートしてヘッドフォンしても「うるさい」と言われているようなものだからだ。
OK。もっと言うよ、これだけ社会的に追いやり、愛煙家の権利が奪われてもなお、喫煙者を嫌悪し「根絶やし」を考える類人の理由は他にあると想う。それははっきり言って
ルサンチマン
だろう。
自分の劣情や嫉妬、嫉み、自分が味わう不条理。これを奴ら(あ、オレか)に味わせてやる。
自分が持たざる者であるように、自分が「我慢」を強いられるように、奴らからも好きなことを取り上げてやる。——こんな潜在意識を私は彼らに看る。
そんな集団の同調圧力が「ファシズム」の正体だ。
権力者による押さえつけ、のみならず、そこに同調し自分も強権を持っている、と一市民が幻想を抱くことに「ファシズム」の危険性がある。
「正しさ・コレクト」信奉も考えた方がいい。
きっとあなたの(おっと失礼、彼らの)旦那や娘さんが「たばこ会社」に勤めているだけで急に態度がかわるシロモノだからだ。「正しさ」や「正義」は立場やスタンスによって簡単に裏返りやすい危うい定義であることも、覚えておいた方がいい。
あるいは徹底的に「自意識過剰」か、だ。だって1ミリもあんたに煙がついちゃだめなんだろ?
その神経質具合を気にしてくれ。この煙で燻製になりそうか? 大袈裟な。そっくりそのままあんたの「趣味」も1ミリも漏らすんじゃないぞ?
・・ってプロセスのもと、対立構造が吹き溜まるんでしょうに。想像力と寛容さをお互い保とうぜ。
あらためて問う、
本当にほんとうに喫煙者はあなたの敵なんですか?
そしてこの問いも重要だ。
あなたはなんの中毒ももたない、
クリーンで潔癖な人間なのですか?
そこにあるスマホにたいしてもですか?
冷静にこれらの問いを考えてもらいたい。
文化的・社会的潔癖症。
ここに時代ごと、丸ごと進んでいるように感じる。
COVIDのせいで余計加速しているのではないかな。
先ほどの例で言えば「性癖」。まさに潔癖の反語として(意地悪にも)出したが想像してほしい。
性癖、ユーにもあるだろうによ。なくて7癖だ。
もっと言おう、君の友人を、大切な友人を思い描いてほしい。彼や彼女は君にとってどうなんだい?
「一長一短」だろうに。
で、それのなにが悪いんだ、と想う。
一方的に君が友人を助けてる! あるいは、
一方的に君は友人から与えられてる?
違うでしょ。それに君自身が、君の友人に見られていることを忘れてはいけない。
つまり自分を「よく見せたい・いつも自分は正しい」そんな自己評価の甘さこそ疑え、ということだ。文化的・社会的潔癖症は自己評価の甘さも多分にあるってこと。
自分を棚にあげない場合。
どれだけの物事が「許せる」と想うよ?
で、それでいいじゃん、と言ってるわけよ。タバコにしたって深呼吸して一旦考えてみなさいって。
そういう「許せる」社会・人間。その方がはるかに成熟している社会・人間だと私は想う。
(言っとくが私も道の途中の途中。煩悩人だが敢えて言うぞ)
ウィズ・コロナ
という言葉が大きくなりつつある。
が、昨今「夜の街」と、遠回しにも直接的にも風俗業界を目の敵(かたき)にする風潮もある。
これなんか「禁煙ファシズム」と構造がいっしょ。人間の営みを机上の計算に追いやっている。
夜の街? なめんなよ。斬れば血が出るんだよ、街の人々は。あなたの身体と等しくだ。だいたいなんだ「夜の街」ってネーミングは!失礼にもほどがある。そんなわけで
ウィズ・スモーカー
ということですよ。
許容・寛容についての想像力の話ですよ。
ただでさえ「SPLIT・分断」ばかりの世の中だ。そんなに分断して敵ばかり作ってどうすんの。
で、そんな自分自身こそ点検しなさいよ、だ。
その実、本当の敵なんかじゃないだろうによ。本当の敵はそんな「洗脳」へと続く無思考自体だよ。
最後に。
もし彼らの言い分が「ラブ」であったら・・?
愛する人を喫煙で失いたくないから、だとしたら——。その時ようやく対話は生まれる様に想う。
しかしその場合も「長い目」で看るべきだ。愛煙家たちは知り抜いているんだから。
これが中毒であることを。自分の中の毒とラブとの神聖な対決を見守るしかなかろう。
し、そこにおいて、ようやくこの話もエモーショナルかつポエジーになる。ファシストたちはこのエモで極私的な真正面を(照れてなのかなんなのか)避ける。
だから決定的に、つまらんのだよ。
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ちなみに先に挙げた「ルサンチマン」。
これは「権力」をもつと、体内の眠りから覚め顕著に現れやすいものなんだよ。——ほら、部活で先輩になると急に強権になる奴いたろ? ああいうソルジャータイプの人が陥りやすかったりするし、巨人やレアルなどやたら強いチームばかり応援したがる人も気をつけた方がいい。ただ「勝つ」に価値と刺激を求める傾向にあり、長いものにも巻かれやすいからだ。SNSで「匿名」だと急に強くなる人もいっしょ。つまり、まさに「ファシスト体質」が強いから気をつけなってことよ。閑話休題。
最後のさいごに。
あなたも好きだろうビジネスの話をします。
今、居酒屋がコーヒーを出せば
すんごいニーズある
と想う。それも昼から店を始めるんだ。(PRONTO方式だね)
「おいしいコーヒーと灰皿、あります」
これだけで、どれだけ私のような人々(難民?)が居酒屋に惹きつけられることだろう!!
それくらい今、日本のスモーカーたちは「昼の街」をあてどなく、彷徨っている。
以上、現場からの報告でした。
〜おしまい〜
以下、資料コーナー。
■以前禁煙時の凄惨な記録
■解煙した際の記録
■中毒についてのエトセトラ
・グルテン中毒も多いはず
・このドラッグの話も重要
■シガーレットなインスピレーション
映画 Coffee and Cigarettesより。
出演作はこの1作という幻の女優Renee French。
映画スモーク。
言うに及ばず。見てない人に友だちはいない。笑
宮崎駿は自身が愛煙家であることもあるが、
とかく描写がわかっている。ルパンの表情を見給えよ
はい。デュポンのライター、ライン2。
開音の「ティン!」を求め大金をはたく。これもまた一つの文化なのだ
さいごのさいごのさいごに。
推奨はしていない。
禁煙者のキモチもわかっているつもりだ。で、これは人間の尊い選択であり中毒であり嗜好品だよ。
「あなたはなんの中毒ですか?」
すべからく、人間の趣味・趣向の話でした。
世にも奇妙な傑作を置いて、今日はお別れだ。