ひとつ こんなシーンがある
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密使として 特務を承けた曹長がいた
彼は 今では官吏将校となった同僚 や
苦楽をともにした 軍の仲間と
密造酒をかわし しばしの別れに わらう。
部隊に独り戻ると
彼は みなを前にして こう告げる。
これより特殊任務をおこなう
細君 こども 老齢の同居なき者から
若干名の有志を募る
言っておく これは 特攻ではない
くりかえす！ これは特攻ではない
かならず生きて帰る
この任務に
ただしい ルートなどない
あるのは我々の辿る 道筋だけだ
指揮は私が執る 志有る者は 前に出よ
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今の私には 戦争がつよく感じられる
７０年以上前のこの国がどうだったかがよくわかる
そしてその当時の 祖先の 彼ら自身の
１萬分の１ほどの それくらいこれっぽっちの
ちいさな哀しみなら 知っている
この国だけで
あの戦争で ３００万人が亡くなった
