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わが心のBlog

by Hiroki Utsunomiya

特集:2000年代「ホラー3.0」

帰省すると、また兄弟で映画談義。
今回のお題は、ホラーである。ホラーの傑作ってなんだろね、ということだ。
言っておくと、ボクより兄の方がはるかにホラー&スプラッタに強い。ほぼ専門家だ。
その、ホラーという免疫学の専門家に伺いたかったことは、


2000年以降の傑作・秀作ホラーはなに?

ということだった。
悪魔のいけにえ以降80年代までのブーム。 これはもう、いい。今さら言うべくも聴くべくもない。
そうではなく、最近にしてどんな良作があるのか? この探索こそが、現代を生きる我々の課題ではなかろうか。ホラーはジャンクの山である。大量な落葉から真実を探る地道な研究。それも飽きながら。笑

ここにおいて兄も、静かになった。「2000年代かぁー・・・」。

無理もないが、大事なリファレンスだ。
今日は二人が暫定的に出した00年代のおすすめホラーと、くそホラーを数作紹介する。

 
TTCM04.jpg 最近はリメイクばかり?

ホラー、サイコホラー、スプラッター、スラッシャー。
厳密なジャンル分けは専門家によってまちまちだから、すっ飛ばしながら進めます。
(なお「羊たちの沈黙「セブン」系はサイコサスペンス。ホラーではないよ)
 
さて! 2000年代。
この時代の難しさの一つが、「画像技術の進化」だ。CGは進化したが、これはホラー界にとってあまり「福音ではなかった」というのが我々の見解。見えすぎるものに人は怖さを感じず、かといってチャチいとチャチい。もう舌の肥えた観客しかいない。
 
そんな黎明期からすれば「ホラー3.0」とも言える現代でも、ちゃんとアジャストされた秀作がある。
ということで、我々認定の筆頭作品はこの3本だ。
 
 
silenthill.jpg ナオミよりポリスか
サイレント・ヒル2006
コナミゲームの映画化。 原作がゲームにしてこのクオリティは見事。 侮るなかれ。
「ホラー3.0」としての問題点「CG」を逆手に、ビジュアライズに大成功した世界観、と言うべきかな。大胆で悪夢的な世界観(かつ、破綻なし)は、傑作「ヘルレイザー」(1987)を引き合いに出したくもなる。また設定の「サダコ的情念」の感覚が欧米に翻訳されヒットしたのも、いいことだ。2000年代のビジュアライズド・ホラー(←今作った)のお手本のような作品。スケールの大きい秀作。
 
 
Hostel.jpg 夜と昼では大違い
ホステル2005
スプラッタホラーで「萎える」点は、設定の破綻だ。 たいていが映画のさいごに破綻する。しかしごくまれに、破綻しない傑作スプラッタが存在する。「ホステル」は、そんな奇跡的な映画の一つ。かつ描写もちゃんとエグく、なにより「辺境のエロ旅行」という設定は、説得力ある「リアリティー」として観客に提示される。
ホラーとは未開の地を描くことだ。この映画はヨーロッパの辺境都市。 はい、ありえまーす!
余韻ふくめ、傑作にしてタイト。 まだ観てない人は迷わずレンタル屋へGO!
 
 
orphan.jpg この2トップすごい
エスター2009
傑作。 しかもこれ、公開年で2010年という深ぁーい時代に出た意義もでかい。
免疫のない女性は観てらんないかも。とくに年頃の子を持つ母親は。それくらいグイグイ来る。
このサイコホラーは王道な作りをしっかり披露する。原題は「Orphan」。 孤児を養子にとる家族の物語。 ちゃんと未開のチ(血・値・地)の話であり、お決まりのように「使える」オトナも出てこないさ! とにかくキャストふくめ良すぎてちょっとなぁ……って天の邪鬼にさえなる。 レンタル屋へダッシュでGO!
 
 
上記3本だけで、2000年代ホラーも充分すぎるほど面白い証左となろう。
鑑賞してみてほしい。
(なお、話題の「イット・フォローズ」の出来は兄弟ともに見ていないので不明)
つづいて、小品にして良作。 そしてくそ映画へと続きます。笑
 
 
◎私的に良い線ホラー
OddThomas.jpg
オッド・トーマス 死神と奇妙な救世主2013
これね。 この作品もこの特集の目玉の一つ。
素晴らしい長所が、この映画のもつ軽さ、かろみ。80’sの軽ーいラインを意識しつつ成功している。つまり、なかなか出せない料亭の味。玄人の仕業。 こういう作品こそ作り手は嫉妬します。
なにより主人公オッドが素直でイイ奴!(←大事) おすすめ!
 
drag-me-to-hell.jpg
スペル2009
ロマのおばさんがホラー。
くりくりお目々のヒロインも良い感じだし、ヒロイン以上のことをします。
線路での結末も、ムーディー。 佳作・良作として、スーッと観れます
 
MaMa.jpg
MAMA2013
これも、怖いですねえ。いいですねえ。コドモはホント、ホラーの必須アイテムです。
母性という情念もまた、良質ホラーには欠かせません。
ぜひ「エスター」と2本セットで観てください。で、ヴェラ・ファーミガ(エスター)と、ジェシカ・チャステイン(ママ)。その母親対決を堪能しましょう
というか、「エスター」成功の影響下にある制作、と言えるかもしれないね

 
◎くそホラーの類い(敢えての特筆)
Dreamcatcher.jpg
スティーブン・キング原作で、脚本の名手L・カスダンが映画化。
帰省時ようやく鑑賞。 ひ・ど・い・ぞ・お! もはやこれはホラーなのだろうか? 冒頭の第1幕に「傑作の予感」がするだけに、余計びっくりする。その驚愕と「?」印をぜひ、皆さんにも!
(なお本国の米国でも、オールタイム・ワーストに常時ランクイン)
ここにキング映画論がありますが、割愛。 この壮大な失敗作は特筆に値するので掲載した。
 
The-Cabin-in-the-Woods.jpg
キャビン2012
これは封切り時、映画館に行く。
で、めずらしく、途中(60分未満)で退出した映画。
ふざけんなと思ったね。 事実、ふざけてる。 メタ構造のホラー内「あるある」に終始する。
対象自体をちゃかす映画ってキライなんだよ。 このあと「大どんでん」あんだろ? そんなの興味ねえよって退出。オチがどうあろうと、知ったことか!という判断。
こういう英断も、ときには必要なのである
 
 
 
以上。 あなたのハートには何が残りましたか?
 
 
 
追伸: なお「ソウ」、「キューブ」 あるいは 「ファニーゲーム」 など 【ドSノーソリューション型】 は、我々「キライなんだよね」ということで論外とした。 ただ、「ファニーゲーム」は単位のかかる選択必修科目ではある。 観たあとにもう1本、好きな映画をみる必要があるがね