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わが心のBlog

by Hiroki Utsunomiya

わからないまま、ここに居る

演出の話
正直言って、どっちかわからない。
でもここにいる
 
というステージが好きだ。 好き、というかとても貴重だと思う。
このマインドと立場は、俳優にとっては故郷のようなものだろう。俳優はどこかで分かりきっていてはいけない。し、そんな演技は観たくない。 その場にも居てほしい。
対して演出家って輩は、結局どっちが「イケてるかイケてないか」掴まなきゃイケないヒト。それも遠隔で。だから「どっちかわからん」では本来、だめなわけだ。
ボクは演出の立場にいることが多い。しかしくりかえす。
 
 
正直言って、どっちかわからない。 でもここにいる
 
 
というステージが好きだ。 ちょー好きだ。
いや。 好き、というかもはやなんだろう。
当然、現実世界で「どっちかわからない」状態は気持ち悪い。 悪いどころか怖い。 早く「わかりたい」。でもそうであっても、あとからその状況を思い返せばなぜか「貴重」、ああ「愛おしいな」と思うのだ
 
しかしなぜそう思う/懐かしむんだろう?
それはたぶん「わからないまま、ここに居る」状態が一番情報量が豊かだからだろう。
不安定の美、だ。
バランスの取れたものは、一つの、はかない美しさを失っている状態なのだ。
 
「わからない」「わかりたい」「わかりたくない」「わかる」
「ここにいる」「そとにいる」「ここにくる」「どこにいる」
 
結局、そんなくり返しが愉しさの中身だと思う。 今日ふとそう思った。