わが心のBlog

by Hiroki Utsunomiya

新しいチャリを買う5

9月20日土曜日。 ついに、ついに! 新しいチャリ納車!!!


発注が6月でじつに3ヶ月ちょっと待った。
その大部分がひたすら塗装の行列待ちだった。
塗装に指示を入れると、業者間のやりとりになるわけだ。

それも2回にわたる行程を経たので鬼のように時間がかかった。おそらく腕のたつ塗装屋さんはいくつもなく、そんな店には関東中のチャリが集まるんだろう。
なのでみなさんも、カスタム組むとき塗装には「行列待ちがある」ことを念頭に入れておこうね。
では、発表ーーー!


E.B.S. × TICKETさん × オレ
451ホリゾンタル
「EL CORAZON」モデル!






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ドーーーダァーーーー!!(←ドーダリング)



名付けて「EL CORAZON」モデル!!!
やばい。。。やばいよ奥さんこれ。。。
あーまずい・・・ちょーかっこいい・・・
準備はOK? いちいちウザウザと講釈垂れるけど、いい?



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フレームはE.B.S.という京都の工房のホリゾンタル型。素材はとうぜん、クロモリだ。
そのチューブエンドは塗り分け塗装
それも、銀のクロムメッキ
これに懐かしさを感じるヒトも多いのではないか?
そう70−80年代にこういう設定があったのだ。


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それも(アホみたいに)、H plus Sonセミディープリムのツライチで銀に切り替える懲りよう。

ただブラックの単色でなくこうすることで、迫力とスポーツの「軽み」が加味されリッチさが出る。
ロームメッキはフレームの「漬け込み」。
だから二重塗装になるわけだ。それだけ塗装も強くなる。
ラグのクラウンもクロームメッキ残しで、スーパーリッチ!

これだけの手間をミニベロにかける人口が世界にどれだけいるんだろうか?


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(資料)SCHWINNの80年代。ラグがリッチだねえ


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そして、トップチューブに差し込まれる。これがなにより大事な心臓部なのである。
オレの企画書を紐解こう。企画書にはこうある。


トップチューブに差しこむ赤は、乗るものの情熱(こころ)を現します。所有する喜び、乗るときのワクワク感、意志をここに込める」


あ。そうそう。
チャリ屋さん(のちに紹介)にはお手製の企画書もってってるからね。(ね? 病気でしょ?)

そこにはこの「」がいかに大切かが訥々と書いてある。「corazon」とはスペイン語で「こころ」。
これは「EL CORAZON」号なのだ。その乗る者の「魂や気持ち」を赤一点に現した。
しかしね、考えてもみたまえよ。
もしこのフレームに「」が差されてなかったら?


ブラックと往年の銀残しのみの、フレーム。
それでは、ただの「クラシック野郎」なのだ。


その設定では、オレ自身が満足しないのだ。
何かが足りない。
そう、そこには、人生が足りない


「単なる懐古趣味におわらず、現代的なシャープさもここに込めました」(By企画書)

 
4章のおわりにデザインは思想である、と言ったのは、こういうことである。
 
単なる「モテ車」を作ろうと思えば。
赤も差さず、素直に「ビンテージ野郎」でとめておけば即ち「モテ車」だ。
それは計算できる。だがね、そうじゃねえんだよ。このただならぬ「噛み切れなさ」が大切なの。
デザインとはそれだけ、個体が何者なのかを雄弁に物語る。

デザインとはそのモノの態度なのである。

このことは世界に溢れる、あらゆる製品について言える。
つまり一筆いれるだけで、モテないのだ!(?)


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iPhone6でにぎわうデザインの聖地、アップル前にデンと置く。
APPLEよ、オレのように冒険しなさい。
当日小雨がふっていて、速攻、撤収したジャクさも一応報告しておきます。


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なお、このチャリを組んだのは銀座のTICKETさん。ちなみに住所はにぎにぎしく銀座1−23−4
だからAPPLE前いってみただけだよーん。
チョイスと審美眼は間違いないので、オススメします。鬱陶しい客である私を温かく迎え入れてくれました。今回の写真は特集ページより拝借いたしました。





さてフレームに次いで、カスタムのもうひとつの愉しみ。

パーツ選び。まさにオープンソースの祭だ。
パーツ群もかなりつっこみどころ満載なんだけど、紹介していこう!


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■フレームが身体なら、チャリの顔はクランク周りだろう。
このパートはTICKETさん頑張ってくれました。日本はスギノのアームに、フランスのTA ALIZE

このねー、ベタ黒でかっこいいチェーンリングってホントないんだよ。TAのこいつしかないの。
ホントは56Tがほしかったのだが「ギリで入手しました!もう在庫ないっす」と54Tゲット。

ベタ黒にファイブスターがソークール!
ビスはもちろんゴールドですよ。ステイ、ゴールド。(←ウザイ?)

チェーンリングのT数でお世話になったもう一人の人物が、友人でBD-1マスターの島ちゃん。

「ミニベロは大きくないと回らないよ。いま使ってるのは56T。でも451なら54Tでも充分だよ!」

と、教授のお墨付きももらう。
小径車は車輪のインチが小さい分、回すお皿は大きく。みんなも覚えておこうね。


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■みんな大好きハブコーナーですが、アメリカはホワイトインダストリーズのT11 RED。

この会社は銀のハブが有名ですが、最近「赤」をだしている。
当然「Corazon(情熱)」コンセプトで一択。
マスター島ちゃんも「ハブはねえ、心臓部だからイイの買った方がいいよ!」。そしてこれである。

しかし《クリスキング》のような、あるいはサドルにブルックスを選ぶような。
そんな柔(やわ)な「わかりやすい」タイプではないからな!!
って、誰に言ってるんだ! オレは。


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■さて。ここからは地中海の香りを。
サドルはイタリアから、サンマルコROLLS。それも白のパンチングレザー! 超キュート。
お店曰く、絶版のデッドストックだったらしい。調達できてよかった。プレートはゴールド

バーテープはおなじくイタリア・チネリのコルク。
このチップなかんじがいいのよね。

おっと奥に見えます、ステムはクイルステム
日本のNITTOだよ。これはTICKETさん激プッシュ品。


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コンポーネントは日本が誇るShimanoから「105」シンガタ11速。

このコンポーネント項目って。
ランクでそのヒトの「本気度」と「ミエ」が、なんか測られるじゃない?


コンポーネントはなに?」
「ん?、デュラだよ」
「(そっか、ヘタなこと言えないな)」
 みたいなさ。


そんなやりとりを当方は「うざく」感じつつも、不当にバカにもされたくないので「105」となる。
なので、あまり筆はすすめたくない。
よければいいよ、程度。
先代がMTBなのでちがいもわからないが必要充分なものを、ってことだった。

ただ、新型105では小径車設定のスプロケがまだ出ていないとのことで、スプロケのみ、ULTEGRA(11-25T)となった。なので、スプロケは小さくてとってもスマート。


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■パーツの旅の最後はエンドチューブに取り付けられたリアライト。日本のCateye
企画書にもこうある。


「こういう、小物を素人が組むと野暮ったくなる。なので、ここにプロの小技を!」

 


大事である。
ホント鬱陶しい客ですね、まったく。


しかし真実なのだ。
サードパーティーの小物群はアトヅケすると、ダサくなるのよ。 恐ろしく
スマートに、ダボ穴に取り付けられたリアライト。またこの四角い感じがムーディーでね。
レスペクト・デコチャリBack to 80's なエモーションをこのキャットアイに託しましたよ。



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■さて。
ドーダリングの最後は、おいくら万円?ってこと。


いちおう仕事で映像業をやってる手前、「予算はふくらむものだ」ということは身に染みている。
非公表としたいがまあ、自分の想定の1.5倍かかった、とだけ伝えておきます。


この1.5って数字もリアルなのです。
ああリアルだ。
たいていの行為は1.5倍するものである。


そんなわけで、わがエル・コラソン号でどこへ行こうか!




あ。そうだ。これやろうかな。




どこに出しても恥ずかしくない出来だ。
ウラ原宿青山にわざわざ持って行って、電柱にくくりつけたいね。
それも意識の低い「モテ車」の横に路駐してやりたいぜまったく。
でオレは電柱の蔭から見守っていたい。




街中でこのチャリをもし見かけたら、すなわち「それはオレ」なので気軽に声をかけて下さいねw。

このシリーズを長きにわたり読んでくれたヒト、ありがとうございました!



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赤く冷えたコラソン