わが心のBlog

by Hiroki Utsunomiya

日本代表を考える 2014夏

さて。どっから話せばいいか途方に暮れる、W杯日本代表2014モデル。
夏コレクション。リミテッド。
 
2戦を終えて、残すは(おっと。)最終戦のみ。
日本が置かれている状況は、皆さんご存じの通り。今回はそんな日本代表への感想と、今大会のセンセーションを以下、徒然なるままに書きます。
 
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今大会の日本を一言で表せ、と問われれば。
オレは、「ショボい。」という言葉を贈りたい。

W杯とは自国のパーツを磨き上げ「スーパーカー」を作り、それをお披露目する場である。
 
 
「いっせーのーせ!」
 
 
初戦の楽しみは、そこにある。
どんなスーパーカーが見れるのか。なにも日本代表に関係なくサッカーファンとしてたまらない。
そんな白眉が、オランダが組み上げたスーパーカーだった。スペインをこなごなに粉砕したのだ。
この話はあとにして日本のスーパーカーのハナシだ。
 
 
 
「いっせーのーせ!」




日本のスーパーカー! 登場!!








「しょ・・・ショボい・・・」
 
 



 
これが日本のスーパーカーか・・・。
よつに組んで初めてわかることはある。
組んでみて相手のエンジンが半端なかったのもわかる。しかしだ。・・しょぼい。
ハテナ印が脳裏をよぎる。それはこんな問いだーー相手が強いのはわかった。しかし・・
 
 
 
Q. だからこそアジリティー(敏捷性)サッカーを標榜してたんじゃなかったっけ?


Q. コートジボワールのヒップに「臆さない」ように「走り勝つ」んじゃなかったっけ?
 
 
 
ぐんぐん下がっていくDFライン。
本田のフロックゴールがいつかまくられることは目に見えていた。
全盛期を越えるドログバだが、しかしそのエンジンはまるで違い、日本を完全に「むかし」に戻した。
注目していたオーリエは残念ながら逸材で、左サイドは激戦ではなく、相手の殲滅作戦の場となった。
 

 
 
パスサッカー? なんですかそれ?


ええ、ぼくらは持ち場でせいいっぱいですけどそれがなにか?
 
 
 


指揮官以下、完全に恐慌状態に陥り、むかしに戻った日本。
そんな姿をだれが見たかっただろうね。明らかだったのは、スタイルが消えたこと
超攻撃サッカーはどこへ行った?


 

初戦の結果にかかわらず、ギリシャには勝てるだろうと踏んでいた。
だからまあ半分は、想定内と言える。登場したギリシャの出来もパッとせず、パッとしない者同士の対決だ。どっちがパッとするか! 日本でしょう、と。
この2戦目が日本の真価を問うことは、誰の目にも明らかだった。そして日本代表は2戦目に臨む!



 
 
ショボい・・・。ショボ過ぎる・・・。
 
 
 


大会屈指の退屈な試合だったことは間違いない。結果は0−0の引き分け。
パスサッカーが復活したように見えた。しかしそれは、そう見せかけて90分浪費しただけだった。
まるで仕組みを知らず公式を当てはめるだけの、数学の授業のようだった。

ザ・オートメーション。

有機的連動とはほど遠く、パスのタイミングはいちいち遅い。そのうえ味方のキョリも遠い。
10人になったギリシャ相手に長友は、クロスボールをバカみたいに上げていた。
そうーー。本当に、バカみたいに。
だって、平均身長を7センチも上回る相手に、ひたすらセンターリング。




長友くん。チミはバカなの? バカなんですか?


 

グランダーで意地悪なボールにせえよ。なんだそれは?
それにこれって、ずいぶん古風なサッカーだ。

ちょっと思い出して?

単純なクロスボールに頼らないように「崩すチーム」を作ってなかったっけ?
上げたってだれもいないぞ?
ハーフナーは連れてきてないんだからな。

皆さんもこの試合をよく思いだしてほしい。
ゴールがにおったのは大久保がふかした、あの場面だけ。他は何もなかったよ。
初戦が犯罪的な出来だった香川は途中から出場し、これまたなにもしなかった。飽くまでかたくななまでに、パッとしない日本。

 
 
◎開幕戦に日本の運命が・・

どうしてこうなったのか?

コロンビア戦もあるので全てが終わってから、ゆっくり考えたい。
が、今思うのは、日本の運命は開幕戦にすでに表れていた、ということ。
開幕戦のブラジルークロアチア戦で主審をつとめた西村雄一さんのことだ。実は既に、ここに全てが出ている。まるで予言のように。
 
 
FIFAの、丸投げ感(だれが開幕戦の主審なんてやりたがるだろう?)は置いておこう。
「日本サッカーを評価」していたはずだから、日本人に主審を任せたのだ、とオレは推察する。
コンフェデ杯やベルギー、オランダ戦でみせた日本の姿は、それだけ心証のよさがあっただろう。だからこその西村主審抜擢だったはずだ。これは文字通りの快挙だった。オレも喜んだよ。
 
 
しかし、彼はやってしまった。
 
 
いくら8割がた試合をコントロールしていても彼は、やってしまったのだ。
そのジャッジがどうだったかは問わない。
問題は、キワキワの肉弾戦、瞬時の判断スピードと、国際舞台への想定の甘さだ。
とにかく彼のあの笛は、国際舞台で議論の的となり、今もなっている。もう一度言う。


・肉弾戦のキワ
・瞬時のスピード
・国際舞台という「想定の甘さ」
 (と英語の重要さ

 

 
それまでの評価をチャラにしてしまうひとつのアクト。これはそっくり日本代表にもあてはまる
大事なのでくり返すが、


肉弾戦のキワ / 瞬時のスピード / 国際舞台という「想定の甘さ」


この三点で、全く足りなかったのは審判だけではない。選手たちも足りなかったのだ
そしてそれまでの実力もこの2試合で全てをチャラにしてしまったのだ、日本代表は。

ちなみに次に西村さんが登場するのは、エクアドルホンジュラスの、第4審判だった。
 
 

◎チミたちってビジネスマン?

日本のキープレイヤーは、間違いなく本田長友など海外チーム所属選手だ。
それはピッチの外でも。ここに何とも言えない、彼らの闇を、オレは感じる。
 
 
試合前「自分たちのサッカーすれば勝てるんで」
→ 試合後「結果が出なかったのは残念ですけど


試合前「逆境を僕たちは超えてきたんで」
→ 試合後「結果が出なかったのは残念ですけど


試合前「もうあとがないんで勝つことしか考えず」

試合前「奇跡は信じる者に来ると思うんで」

試合前「もう連携とかじゃなく自分がどれだけやれるか」



 ・・・・・・。


 
いい加減にしろお前ら!
たちの悪い経済アナリストにしか見えねえ!
 
 


あるいはなんかもう、気味の悪い自己啓発セミナーに迷い込んだかのようだよ。

OK。いいよ。君たちはビジネスマンとしてはいいんだろうよ。若くして、イイ人材なんだろうよ。
しかしな、オレはそんなビジネスマインドを見るためにW杯に立ち会ってるわけじゃないんだよ。



ボスニアの歴史的初ゴール。

ファンペルシーのスーパーヘッド。
ケーヒルの自己最高ゴール。
獲られても2点返すガッツ。W杯の魔物。

監督と選手たちがコツコツ仕上げたスーパーカーが見たいの。



それにだ。
スペインだってイングランドだって、敗者の弁は謝罪だったし、ちゃんと痛いものだ。
日本メディアはそこでも終わってて



アナウンサー「調子の出ない原因は?」
専門家回答 「体調問題とブラジル特有の気候がですね・・



アホすぎる
ぜったい彼らは、痛がらない。そこがもう本当に痛い。へたなプロレス見せられてるみたいだわ。終わっている。きわめておわってる。
こんな痛さしか感じない。



ただもう。
2006年ドイツのときや、北京五輪のときのような「焼け野原」の感覚も、もはやない。
コロンビア戦はいっさい期待していないが、まあ見届けるだろう。

世界的な動向(とくにイングランドとスペイン)も書こうと思ったけど、またこんど!