わが心のBlog

by Hiroki Utsunomiya

日本代表を考える 2013秋Pt2

いやいや! ハイハイ!

みなさんどうでしたか! オランダとベルギー戦!!!


っつーのを今書くのもどうかと思いつつ、友達とナマ約束もしてしまい、書きます。
今週はもー追い込みかっこんでて頓死してました。 なので、このタイミングです。

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◎民意の向上か

いや、むしろ、4日前の出来事を話すことが既にアウト・オブ・デートであること。
これこそが民意の向上。 サッカー文化の成熟なのかもしれない。
おそらく10年前なら、親善試合であれ強豪に勝ったら、1週間後ですら大盛り上がりだったはずだ。今はどこかシレッとしている。 妙に静かだ。

「かもしれない」

と書いたのは単純に「勝てばそれでいいんだ」というポピュリズムかもしれないから。
仕事だとしてネガティブキャンペーンには忙しく、部下が結果をだした途端、それまでの言動を忘れる。そんな上司はあなたの周りにいないだろうか。 なんだっていいよ、政治でもそうなのかもしれないね。


◎しつこくそっちを考える

まだサッカー自体にいかない。笑 10月の批評キャンペーンを考える。
ボクも含めてだが、サッカーの、とくに代表にまつわる批評には「ディスり」がつねにある。その正体とはいったいなんなんだろうか?、と考えたとき



「みんな怖いのだ」



という結論にボクの中でなった。 みんな怖いのである。
自分のココロにどこか予防線を張りたいのだ。 それが代表批評の正体だ。
ジーコジャパンのような、あるいは、反町五輪ジャパンのような。 あんな焼け野原を二度と見たくないのだ。あるいは、世界との真剣勝負で単純に負けるのが怖い。
W杯とはどうしようもなく国と国との闘いなのだ。

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スポ根映画の秀作に「コーチ・カーター」という映画がある。 貧困地区の高校バスケコーチ・カーター(サミュエル・L・ジャクソン)はこんなことを映画の中で言う。



   「目先の輝かしい一勝と、大学への進学どっちが大切ですか」




勝ち上がり続けるチームに対し、学業を疎かにした罰として体育館を閉鎖するコーチ・カーター。 なぜ練習させないのか!、と詰め寄る父兄に対して言ったのが先の言葉。
時間と価値観をどう区切るのか、現実と未来に対しての示唆に富んでいる。
その後カーターは、それでも納得できない父兄に法廷でつるし上げられるのだった。
われわれも、この、父兄のようなものではないか?

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いや、それよくわからん。 別に代表は代表だよ。
その国のプロの最高峰なんだから例えが的外れでしょ、結果でしょ、と。


まあそうは言ってもだ。


20年単位のモノサシで看れば、確実にレベルが上がっていると言える。
同時にグローバルにみれば、日本はまだまだ「ひよっこ」。FIFAランキングだ。
それに「民意」も、そういう視線がはるかにイイ意味でマニアックになってもいる。
トレーナーの意識も上がっているはず。 だから、緩やかに、確実に、イイ方向に行っているのだ。目先の敗戦にも快勝にも、そんな視点が必要である。(自戒も込めね。)

かたや、アスリートとしての一回こっきり、という視点がある。
なに20年とか言ってんの、オレにはこの大会のこの瞬間しかないんだよ!、と。
たしかに。

じゃあいいよ、それで言えば、こっちだって一回こっきりだ怖いんだよこのやろう!、とも言える。 その生身の恐怖は選手たちに限らない。その恐怖をグッと抑え選手達(とくに監督)はどんな勝負を目指すのか、観衆は目撃するか、でしかない。

「それはごもっともだけど、オレの考えはちがった」


もうみんなポッカリ忘れちゃってるが、反町ジャパン惨敗時、本田選手はこう言った。
それもごもっともだが、そんな「あやうさ」をA代表でも繰り返すおつもりなの?

10月にボクはよぎったね。 その先の結末が怖いからね。

でみんな、そうとは言わずとも、なにか不穏なる恐怖を感じたから10月の遠征後はとにかくざわめいた。興味深い現象だったと思う。


◎で、親善試合2戦

もういいよね。 充分書いたよね。
この2試合での5得点(!)ともすべてすごくイイ質だったし、それらはビハインドからの内容でもある。 挙げ句に、ベルギーは日本にとってワッフルの朝食のようにあまーい栄養源になっちゃった。

ここまでの劇的な変化はなんだろうか?
物理的なメッセージをザック監督はようやく掲げた。ついにボランチにメスが入った、と言える。Jリーグの選手にも門戸は開いてるよ、とも伝えた。

実に風通しが「急に」よくなった。この「急さ」を考えると、ゼッタイ、チーム間でガチな話し合いがあったはずだ、とボクは推理する。長谷部—本田—川島会談。
そんな会談があったのではないか? だって本田が、妙に献身的だった。
かつ、ザックも腹をくくった。
だれがだれのセットアッパーか明確だし、聖域を崩しに来た。で、ハマッた。
ぶっぱまったのがこの2戦だったのではないか。


一つだけケチをつけると、デ・ヨングを下げてしまい攻めてがないオランダとの後半。なんでイノハとか出してあげないの?と思って観ていた。
ベルギー戦でも森重に経験を積ませたのはデカいが、想定吉田のセットアップ、イノハは可哀想である。相手はホームで負けているにもかかわらず、どんどんサブに交代していった。 そこはさすがの態度だ。


以上! このコーナーはまた来年! かな?この流れをキープできればさほど書くことも見当たらないけどね

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追伸:「コーチカーター」はとてもいい映画です。
   いいせりふがあるんだ、最後の体育館のシーンで。
   スラムダンク(とくにミッチー篇)も本場だとモノがちがうのねと凹みもする