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わが心のBlog

by Hiroki Utsunomiya

大島渚の闘い!

感想・評論

BS朝日で日曜日の夜、「大島渚の闘い!」という番組をみた。2000年に制作された番組。 今回の追悼特別番組ということで特別枠での再放送だったろう。この番組を見た人はどれくらいの人数いるんだろうか。

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誰か、いますか? 見た人。

見た人に告げます。 強烈でしたよね。

すごかったよね。 終盤の「地雷」はスリリングすぎた。もう見てるこっちがどきどきしてました。
この番組で全てとはもちろん言わない、そしてこんなこと言ったら本人なら落雷もので怒るだろう。
が、大島渚という人物がわかった。
この番組で、インタビュワー(おそらくディレクター)に対して3度、大島渚は怒鳴る。
そこに「全て」があるんだが、これはご覧頂かないと上手く言えません。

とにかく体を張ったディレクターをぼくは賞賛したい。
インタビューというものは聞きたくないことでも、聞かなくてはならない時がある。もしくは、なんでもいいから言葉を継がなくてはならないときもある。もっと言えば、インタビュワーの思想と態度がどの程度かで、主体を怒らせることもある。
今回の3度の落雷はその複合体だった。 故に、グハーっと我がごとのようにわかった。
ボクもインタビューで主体を怒らせたことは当然ある。 映画の現場を知らないわけでもない。だから大島渚という人物がわかった。 引き出そうとする思惑と本人との差異で人物がわかったのだ。

妻であり女優の小山明子さんは松竹退社後をこう言う、
「表に出たら7人の敵と言いますが、大島には7人の味方しかいないんですから」
番組のカメラは「御法度」の撮影現場にいる。 そこで若き松田龍平を評し、大島渚は嬉しそうにこう言う、「彼はボクに似てる。とってもナルシストなんだ、6歳で親をなくしたらナルシストになるしかないんだよ」


一つ、この番組の地雷をご紹介しよう。
ディレクターがその作品群を「他の人が思いつかないような」とフックしたあとだった。「(他の作家たちは)どのようにあなたを見ていたと思いますか?」と聞いた瞬間だ。


「他の奴なんていい!!!!! 俺の話をしろおおお!!!!!!」



書いていて気分が悪くなってきたが、心奪われたのもまた事実だ。
人物がどうであるかということと、作品がどうかは別物である。 それが厳しい芸術の掟である。
その鉄の掟に冷徹なまでに従い、自分という薪を燃やしたぎらせたその人物史。同時に、作品を作る、作り続けるための闘争の歴史も記された番組で、鷲掴みにされた。ご冥福をお祈りするかわりに、大島渚の作品が見たいと想う。
だってあとはてめえの話だもの。

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